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着物のカビ取り 自宅で出来るカビ予防方法 着物のカビの原因

着物のトラブルで多いのが、着物のカビの発生です。

着物のカビは、着物に残った汚れや汗、湿気によるものが多いです。

高温多湿な日本では、1年を通してカビが発生しやすいといえます。

こまめな換気が大切ですが、それと同時に少しの工夫でカビの発生を軽減、予防することが出来ます。

 

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着物のカビの予防方法

着物を着た後の陰干し、汚れの確認によるカビ予防

着用後の着物には、汗や汚れ、埃など様々な汚れが付いています。

特に汗を飛ばすための陰干しは、欠かすことができません。

数時間から1日ほど陰干しをして、着物ブラシで汚れやホコリを取り除くとともに、着物に汚れが付いていないか確認します。

着物のほこり取りに ブラシの平野 の「手植え水雷型」ブラシを使っています。

特に食べこぼしやファンデーション、泥跳ねなどの汚れが付きやすい、衿、袂、上前、裾部分は重点的に確認すると良いです。

汚れがある場合は、季節の終わりにクリーニングに出して綺麗にしてもらい、丸洗いなどのクリーニングと同時に汗取りも行ってもらうと安心です。

着物の汗抜きのお手入れ方法 汗は丸洗いでは綺麗になりません

 

「1度着ただけだから、クリーニングに出さなくてもいいのでは?」と思うかもしれませんが、着物を着た回数ではなく、汚れや汗がどれだけ付いているかで判断することが大切です。

汚れが付いた状態でそのままにしておくと、時間の経過とともに繊維の汚れが定着し、汚れが落ちにくくなるだけでなく繊維が劣化してしまいます。

汚れを見つけた時は、出来るだけ早くクリーニングに出すと良いのですが、時間がない時は衣替えとともに汗や汚れを綺麗にしましょう。

ちなみにクリーニングといっても必ず丸洗いに出す必要はなく、部分的な染み抜きで汚れを取ってもらうことをおすすめします。

その方が生地に優しいです。

着物箪笥の引き出しの収納量に気を付ける

箪笥の引き出しの中に何枚の着物を入れていますか?

1段の引き出しの中に目一杯着物を入れるてしまうと、空気の流れが悪くなり湿気が籠りやすい状態になってしまいます。

引き出しの出し入れをするだけでも空気の流れが起こり、日頃の何気ない作業が着物の湿気対策に繋がります。

着物1枚以上の余裕を持たせて、収納することをおすすめします。

着物箪笥の収納の工夫によるカビ予防

湿気やホコリは下に溜まりやすいです。

桐箪笥の場合は、下段に引き出しの出し入れのやり難さで実感することができます。

箪笥の上段には黒留や色留、黒無地などの普段着る機会が少ない着物を収納し、下段には普段着の着物や、麻素材の着物を収納すると良いです。

普段よく着る小物を下段に収納することで引き出しを出し入れする機会が増えるので、湿気が滞りにくくなり箪笥の中全体の空気の流れを作るきっかけになりもなります。

上段に比べると下段はどうしても湿気が溜まりやすいのですが、麻素材の着物や帯をお持ちの場合は、下段に収納することで麻の乾燥に弱い点を軽減することができます。

箪笥の置き場所 配置によるカビ予防

箪笥の置き場所を気にしたことはありますか?

出来れば、2階の湿気がこもりにくい部屋が箪笥を置く場所に適しています。

しかし、なかなか理想的な場所に箪笥をおくことは難しいかもしれません。

そんな場合は、箪笥を置ける場所での箪笥の置き方を工夫をする方法がおすすめです。

カビの発生を予防するためには、湿気がこもらないように空気の流れを作るようにすることが大切です。

箪笥を壁に密着させずに、距離をとって配置するだけでも空気が流れるので湿気がこもりにくくなります。

箪笥と壁の距離を5㎝以上開け、その隙間に除湿剤を置いておくと湿気によるカビの発生予防に役立ちます。

壁や床にくっつけてしまうと、家具まわりの空気の流れが悪くなり、壁や床、家具の見えない部分にカビが繁殖しやすくなってしまいます。

湿気の吸収効果の高いを置いておくのも良い方法です。

炭は日光に当てて乾燥させると、何度も繰り返し使うことができるのでおすすめの方法です。

炭は湿気の吸収に優れているのですが、湿気を多く吸収した状態で長い間放置しておくと、墨自体にカビが生えてしまうので注意してください。

どのような場所に箪笥を置いたとしても、10時から15時の湿気の少ない時間帯の窓開けや扇風機などを使った換気や、除湿器の使用などで室内の除湿を心掛ける習慣が身につくと良いですね。

前日の天候や時間帯を気にすることなく気が向いたときに除湿をするには除湿器がとても便利です。

湿度が高い時は数時間であっという間にタンクの水が一杯になってしまいます。

「空気中にこんなにも水分が含まれているのか」と驚くことがよくあります。

そのような時は数回繰り返し除湿すると、部屋の中がカラッとしほんのりと温かさを感じることができます。

着物を頻繁に着るようになって間もなくの頃に除湿器を購入し、今でも使い続けています。

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押し入れに収納する場合

押し入れに中に着物を収納している場合もあります。

押し入れは戸を閉めていることが多いので、湿気がこもりがちです。

押し入れの中に箪笥をおく場合は、壁と箪笥との間に距離をおき密着させないように配置すると良いです。

除湿アイテムを使用したり、戸を閉め切らずに少し開けて風が通るようにしてしておくだけでもカビ予防になります。

除湿シートの使用によるカビ予防

箪笥の引き出しの下に除湿シートを引く方法があります。

湿気は下に溜まりやすいので除湿シートを引くことで、湿気によるカビの発生を予防することができます。

この除湿シートなのですが、私は今まで使ったことがありません。

除湿シートも引いておけば万全というわけでもなく、同じ除湿シートを長く使い続けることでカビの発生に繋がるかもしれません。

定期的に除湿シートを交換するのであれば効果的だと思いますが、定期的に交換する自信のない私は「面倒なものは使わない」ことにしています。

除湿シートに限らず、防虫剤もガス発生による色やけのトラブルが起こる可能性があるので、あれこれ使いすぎないようにしています。

防水シートの管理ができる方には、カビ予防に効果的な方法です。

着物の収納家具 収納ケースによるカビ予防

着物の収納には桐箪笥が適しています。

桐箪笥が着物の収納に適している3つの理由

  1. 湿気に強い
  2. 虫が付きにくい
  3. 火に強い

湿気に強い】

桐は室内の湿度の変化に伴い、その湿気を吸収することで箪笥の中の湿度を一定に保とうとし、箪笥の中の湿度が高くなるのを防ぎます。

実際に梅雨の湿気の多い季節では、湿気を吸収したことで引き出しの出し入れがスムーズに行いにくく、特に下段の引き出しは出し入れが難しくなります。

目には見えない変化ですが、実際に桐箪笥を使うことで、桐が湿気を吸収していることが実感できます。

【虫が付きにくい】

桐の成分の中には、パウロニン、セサミン、タンニンなどの成分が含まれていて、害虫を寄せ付けません。

総桐箪笥の場合は、防虫剤の使用は必須ではありません。

私の場合ですが、防虫剤を使うことでのガスの発生のトラブルもあるので、桐箪笥に限らず防虫剤は使っていません。

外から害虫が侵入してくることは防げますが、着物にすでについている害虫を駆除することはできません。

着物を収納する前に、自分でできるお手入れは必ず行いましょう。

着物の収納前にやっておきたい着物クリーニングやたたみ方 お手入れの基本

【火や水に強い】

桐は熱伝導率が低いので火事などで表面が黒く炭化したとしても、内側にまで火が入り込むまでには時間がかかります。

更に消化の際の水を吸収することで桐が膨張し密閉状態になるので、火や水が入り込むのを防いでくれます。

火事の消化後の中から外側が黒く炭化した総桐箪笥が見つかり開けてみると、中の着物は何の被害もなく無事だったという話はよく聞く話です。

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総桐箪笥は高価でなかなか簡単に購入することができませんが、最近では購入しやすい価格帯の桐箪笥も販売されているので検討しててはいかがでしょうか?

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シンプルな洋風チェストタイプの桐箪笥なら、和室と洋室のどちらにも馴染みます。

着物の収納にこだわらず、洋服を収納にも良いですね。

3段タイプ以外にも、1段タイプ、6段タイプ、8段タイプと用途に応じて大きさを選ぶことが出来ます。

塗装仕立てタイプもあるのでお部屋の雰囲気に合わせて選ぶことが出来ます。

虫干しによるカビ予防

着物の年間行事で有名な虫干しです。

1年に3回行うのが理想的ですが、そんなにこまめに行うことが出来ないのが現実ではないでしょうか?

私も1年に1回虫干しするのがやっとですし、なるべく簡単に虫干しを行う工夫をしています。

気持ちのハードルを低くして、気軽に行いましょう。

着物の虫干しの時期季節 基本の仕方や簡単気軽に出来る7つの方法

 

自分で虫干しするのが面倒な方は、虫干し代行という方法もあります。

着物1枚につき500円から4000円とあります。

オプションで汚れチェックや仕上げアイロンもお願いできるようです。

着物を頻繁に着ることが一番のカビ予防

着物のカビなどのトラブルは湿気や汚れが主な要因ですが、着物を箪笥の中に入れっぱなしにしておくことが、一番の原因になります。

着物をよく来ている人ほど、着物のトラブルに合わないといいます。

着物を着ることが一番のカビ予防に繋がるなんて、素敵です。

「着物を着て行くところがない」ではなく、場所に関係なく着物を着たいと思ったら着物を着ればいいです。

自宅で着物を着て1日を過ごすのもいいのではないでしょうか。

素敵な1日になりそうですね。

一般的なカビの予防方法

一般的なカビの発生の原因を知ることで、着物のカビ発生を予防することに生かせるヒントがあります。

生活の中でのカビ発生予防方法を着物にも生かしましょう。

カビの4つの原因の酸素、温度、湿度、栄養分に対して、一般的なカビの予防方法(酸素以外)

  • 温度・・・25℃以下に室温を下げる
  • 湿度・・・60%以下に下げる
  • 栄養分・・・こまめに掃除を行う

25℃以下に室温を下げる】

窓を開けて風通しを良くしたり、エアコンを使用するなどによって室温を25℃以下に下げるように心掛けます。

しかし、1年を通して25℃以下を保つということは、なかなか難しいです。

個人的には、温度の優先順位は低いと考えています。

【湿度を60%以下に下げる】

窓を開けての換気、扇風機を使用して空気の循環、エアコンのドライ機能の活用、除湿器や除湿剤の使用などいろいろな方法があります。

湿度が高い状態が長く続かないように、こまめに行うことが大切です。

【こまめに掃除を行う

毎日掃除をしていても、ホコリに関してはあっという間に溜まってしまいます。

こまめに掃除を行うしかありません。

着物のカビの原因

カビは真菌類の一種で、糸状菌といい菌糸の先端部分で成長し、胞子を作りながら繁殖していきます。

カビ菌は空気中のいたるところに漂っていて、繁殖の条件が揃うと広がります。

見た目にカビの発生が確認できる状態というのは、カビの繁殖がある程度進んだ状態であるということになります。

カビが発生しやすい環境

酸素、温度、湿度、栄養分の4つの条件が揃うことで、カビは繁殖します。

  • 酸素・・・好気性の微生物のカビ菌は、酸素を取り入れることで繁殖します。
  • 20℃から30℃の温度・・・25℃から28℃が最も繁殖に適しています。(5℃から45℃でも繁殖可能です。)
  • 湿度・・・80%で活発に繁殖しますが、15%から50%でも繁殖することができます。特に風通しの悪いところでよく繁殖します。
  • 栄養分・・・食べこぼしの汚れ、皮脂、埃などの汚れを栄養分として繁殖します。特に炭水化物や糖を含んだ汚れを好んで繁殖する傾向があります。着物の場合は、糸についている糊が栄養分になります。

カビは生える4つの条件のうち、1つでもなくすことができればカビは繁殖することができません。

しかし、カビ菌の繁殖しやすい条件は人の生活環境に当てはまってしまうので、カビの発生をなくすことは難しいです。

4つの原因のうち、酸素、温度は手を加えることが難しいので、湿度と栄養分に気を付けるよう心掛けることが大切です。

 

着物の繊維によっても、湿度の吸収が異なってきます。

体表面積で考えると、細くて打ち込みがしっかりとしている生地が湿度を取り入れやすいと考えられます。

上質な糸とは、細く繊細です。

上質な生地は、上質な糸が使われていて打ち込みがしっかりとしています。

このような上質な生地は、黒留や黒無地などに使われていることが多いですし、更に着る機会の少ない黒留や黒無地は、カビの発生のリスクが高いといえます。

また、上質な訪問着に使われることが多い「三眠蚕(さんみんさん)」も注意が必要です。

通常の4回の脱皮である4眠蚕から作られる繭ではなく、3回の脱皮である三眠蚕から作られた繭を「三眠蚕(さんみんさん)」といいます。

三眠蚕の繭は一般的な絹の半分ほどの太さしかないので、とても細いです。

三眠蚕が使われている生地には、 反物の端部分の織口に「三眠蚕(さんみんさん)」と記していあるので、そのような上質な生地の場合は、カビが発生しやすいということを知っておくと良いです。

カビが発生しやすい時期季節

カビが最もは発生しやすい時期は、湿度が高くなる5月末から6月頃の梅雨の季節です。

体感として湿度の高さを感じる以外にも、フローリングの床の掃除のときに、窓際などの床に湿気が多いことに気が付くことがあります。

冬は乾燥しやすいイメージがありますが、暖房機器の充実や住んでいる地域によっては、梅雨の時期と変わらないほどの湿度の高さになります。

1年を通して、カビの発生には気を付けるのが良いといえます。

1年を通してカビが発生しやすいということになると、着物を箪笥の中に入れた状態がどれだけ続いているかということが重要になってきます。

着物や箪笥を空気に触れさせることが大切です。

カビが発生しやすい場所

酸素、温度、湿度、栄養分の4つ原因を考えると、湿度が高くて汗や汚れなどの栄養分が多いところにカビが発生しやすくなります。

 

箪笥の中に着物を長い間入れっぱなしにしていることで、どんどん湿気が溜まっていきます。

着物に汗や汚れが付いたままの状態で収納しておくことで、さらにカビが発生しやすくなります。

「着物は、必ず丸洗いや汗取りをしているから大丈夫」と思っていても、厳重に言うと、手で触っただけでも汚れが付くことになるということを知っておくと良いです。

一度も使っていない帯にカビが出ているのを見たときは、びっくりと同時にショックでした。

それも、総桐箪笥・・・

原因は湿気と考えられたので、それからは箪笥の中の換気を心掛けて、カビ予防には気を使っています。

着物の場合は、糸自体に糊が残っている場合があるので、カビにとって栄養分が着物全体に豊富にあることになります。

湯通しをしていない着物や、きちんとできていない着物の状態で、長い間箪笥の中に入れっぱなしにしておくことは、ハビの発生のリスクが高くなってしまいます。

カビ菌が着物や帯の表面だけでなく、繊維の中にまで入り込んでしまうと、自分ではどうしようもなく、専門店で洗い張りをしてもらはなくてはいけません。

一度も使っていない着物や帯を解き洗いして仕立て直すのは、かなりショックで金銭的にも負担がかかってしまいます。

一度も使っていない袋帯を、解いて洗い張り、仕立てをした時のショックは大きかったです。

特にしばらく仕立てる予定のない着物の反物を、長い間、箪笥の中に保管するときは、湯通しをして糊を完全に取り除いておくことが大切です。

 

着物を収納している箪笥などの重い家具の裏側も、湿気が高くなりやすい場所です。

カビ菌が浮遊して箪笥の引き出しの中に入り込まないように、箪笥の周囲にも注意しましょう。

押し入れの中も湿気が溜まりやすく、意外と埃などの汚れが入り込みやすい場所になります。

押し入れは閉めていることが多いので、空気の流れが少ない状態です。

空気の流れが少ない、あるいはない状態では、どうしても湿気が高くなってしまいます。

押し入れの中に着物を収納している場合は、戸を閉め切らないように気を付けることをおすすめします。

カビの死滅条件

カビの死滅する条件は、湿度100%、温度が70℃以上で10分以上の過熱、消毒用エタノールなどの使用で死滅させることができます。

着物や帯の場合は、カビが繊維にまで入り込んでしまうと、洗いによる水洗いが必要になります。

当然、仕立てた状態では水洗いすることができないので、一度解いて、洗った後に仕立て直す必要場あります。

きちんとカビ菌を除去しておかないと、またカビが発生してしまいます。

着物や帯のカビ除去は表面を拭けいて終わりではなく、仕立て直しが必要になり大ごとになってしまうので、きちんと処理することが大切です。

着物のカビ取り 自宅で出来るカビ予防方法のまとめ

着物のカビは、着物に残った汚れや汗、湿気によるものが多いです。

箪笥の置き場所や、着物の入れ方など小さなことですが、小さなことを積み重ねることで着物のカビの発生予防に繋がります。

出来ることをこまめに行い少しの工夫で、着物のカビの発生を軽減、予防することが出来ます。