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着物の虫干しの時期季節 基本の仕方や簡単気軽に出来る7つの方法 

大島紬の訪問着、単衣仕立て
着物の虫干しをどのように行っていますか?

「総箪笥の中に入れてあるから大丈夫」と長年箪笥に入れたままになってはいませんか?

着物や帯の保管に気を使っていても、長い間、箪笥の中に入れた状態のままだと、必ずと言っていいほどトラブルが起きてしまいます。

虫干しは、着物に風を通すことで、湿気によるカビの発生や虫くい、シミの広がり、ガスの発生による色やけを防いでくれます。

特にカビの発生は、箪笥の中にどんどん広がってしまうので気を付けなくてはいけません。

「時間がなくて出来ない」というあなたには、負担に感じない簡単で気軽にできる虫干しの仕方、方法があります。

少し手間をかけるだけで、大切な着物や帯を綺麗な状態で長く使うことができます。

 

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虫干しとは

虫干し

虫干しは、着物や帯の湿気を払い、害虫を除去し、シミの点検をする目的で、古くからおこなわれてきました。

7、8月に行われる夏の土用の時期に行われていた虫干しを土用干し(どようぼし)といい、昔から年間行事として行われていました。

着物に風を通し、適度な力を加えることで着物長持ちさせることができます。

着物などの衣類の他に全部で3つの土用干しがあります。

  1. 着物などの衣類や書籍を陰干しすることと
  2. 農業においての水田の水抜き
  3. 塩漬けにした梅を梅雨明け後に日干しすること

【土用(どよう)

土用(どよう)とは、1年のうちの立夏、立秋、立冬、立春の直前の約18日間をいいます。

目安としては、以下の頃になります。

  • 冬・・・1月17日
  • 春・・・4月17日
  • 夏・・・7月20日
  • 秋・・・10月20日

虫干しの時期 季節

虫干しに適した時期 季節

着物が日常着として着られていた頃は、土用干し、虫干し、寒干しの年に3回の虫干しが行われていました。

一般的にいわれている、虫干しです。

土用干し

  • 7月下旬から8月頃

1年の中で一番湿気の高い季節が梅雨の時期になります。

梅雨のジメジメとした時期に吸い込んだ湿気を、梅雨が明けたころに取り除きます。

虫干し

  • 10月下旬から11月頃

暑さが落ち着いた秋晴れの頃は、爽やかな風が吹き過ごしやすい季節になり、虫干しを行うのに適した時期といえます。

虫干しと同時に、夏物と冬物の衣替えをすることができるのでおすすめの時期です。

【寒干し

  • 1月下旬から2月頃

1年の中で最も湿度の低い季節が1月下旬から2月になり、虫干しを行って着物に風を通すのに最も適した時期になります。

この時期に湿気を取り除くことで、春と夏の湿気の取り込みに備えることができます。

年間湿度

7月8月1月2月は湿度が低く、虫干しに適した時期だといいますが、北陸に住む私の体感的には「その頃って湿度が高く感じるけど」と思っています。

東京の年間湿度】

  • 1月・・・51%
  • 2月・・・59%
  • 3月・・・60%
  • 4月・・・63%
  • 5月・・・65%
  • 6月・・・81%
  • 7月・・・89%
  • 8月・・・80%
  • 9月・・・79%
  • 10月・・・80%
  • 11月・・・69%
  • 12月・・・66%

6月から10月の平均湿度は約82%で、1年の中でもこの時期の湿度は高いといえます。

11月から5月の平均湿度は約62%なので、実際には、この時期に虫干しを行うのがいいといえます。

東京の湿度を照らし合わせると、一般的な虫干しに適した時期、季節と近いデータです。

土用干しの7月8月は、湿度が高めなので、3月4月5月頃に虫干しを行うことをおすすめします。

北陸の年間湿度

  • 1月・・・82%
  • 2月・・・79%
  • 3月・・・72%
  • 4月・・・69%
  • 5月・・・72%
  • 6月・・・79%
  • 7月・・・81%
  • 8月・・・79%
  • 9月・・・77%
  • 10月・・・77%
  • 11月・・・80%
  • 12月・・・77%

やはり、年間を通して湿度が高いです。

1月2月の寒干し、7月8月土用干し、10月11月虫干しの全ての時期が、70代後半から80代前半の湿度があります。

土地柄のため仕方がないですが、比較的湿度が低い3月4月5月に虫干しを行うのが良いようです。

 

地域により湿度の違いがあるので、お住いの地域の湿度が低い時期に虫干しをすることをおすすめします。

というか、意外と体感不快指数とデータの値が近いので、体感不快指数を目安にいつでも出来るときに虫干しを行えばいいのではないかと思います。

虫干しに適した日や時間帯

虫干しに適した日】

虫干しに適した時期は、7月下旬から8月頃、10月下旬から11月、1月下旬から2月の年3回がありますが、その期間ならいつでもいいというわけではありません。

前日に雨が降った日の翌日は、当日晴れていたとしても、虫干しを行わない方が良いです。

前日の湿気が空気中に含まれている状態なので、空気中の湿気を取り込んでしまうことになり、逆効果になってしまう場合があります。

一番良いのは、2日続けて晴れた日の翌日が望ましいのですが、そのタイミングで行えない場合が多いと思います。

現実的には、晴れた日の翌日に虫干しを行うと覚えておくのが良いです。

【虫干しに適した時間帯】

  • 10時から15時の間

晴れた日の翌日の時間帯にも、適した時間帯があります。

1日の中でも湿気の多い、朝と夕方の時間帯は避け、10時から15時の間に行うことをおすすめします。

虫干しを行う時間

着物を干す時間

湿気を取り除くために着物を干しますが、どれくらいの時間干しておけばいいのでしょうか?

「3,4時間は掛けておかなくてはいけないのでは」と思いがちですが、1、2時間掛けておけば十分です。

着物を着た後の湿気取りのお手入にも同じことが言えますが、着物を長く吊り下げておくと、色やけや裾が袋(ふくろ)になってしまいます。

吊るす時間が長くならないように、出来るだけ短時間で虫干しすることが望ましいです。

裾の袋(ふくろ)】

裏生地と表生地のつりあいが悪くなることで片方の生地がたるみ、袋の状態になります。

長い間保管したままの湿気の含んだ着物を、長い時間、衣紋掛けに吊り下げておくと袋になってしまいます。

着物を着た時に裾の部分にたるみができるので、だらしなく見えてしまいます。

虫干しに適した場所

日光、西日が当たらない場所】

絹素材の着物は日光に当たると色やけを起こすので、虫干しを行うときは、陰干しをします。

日中の直射日光には気を付けていても、忘れがちなのが西日です。

西日は時間とともに、窓から日差しが部屋の奥にまで差し込んできます。

この西日による色やけが意外と多いので、気を付けなくてはいけません。

カーテンを閉める方法もありますが、着物を干す場所は、西日の入らない場所を選んで陰干ししてください。

また、直射日光、西日に限らず、蛍光灯によっても絹の色やけが起こります。

虫干しを行うとき、着物を干し終わったらすぐに蛍光灯を消しましょう。

【色やけ】

絹は、紫外線によって色やけ、黄変(おうへん)してしまいます。

主な原因は、絹を構成しているフィブロインに含まれているアミノ酸が、紫外線や空気中の酸素によって酸化することでメラニンが作られることにあります。

人の皮膚と同じように、紫外線が当たることで肌が黒く焼けてしまうことと同じ作用です。

【風通しの良い場所

虫干しを行うときは、風が通りやすいように部屋の窓やドアを開けて風通しを良くしておきます。

窓を開けることができない場合や風通しが悪い場合は、扇風機を使うとよいです。

ドアの対角になる場所に扇風機をおき、直接着物に風が当たらないようにします。

扇風機で風通しをよくすることで湿気を早く取り除き、虫干しを短時間で終わらせることができます。

虫干しの仕方 方法

大島紬の訪問着、単衣仕立て

すべての着物を同時に虫干しすることは、なかなか大変で、理想的な虫干しができない場合が多いと思います。

基本的な虫干しの仕方を知ったうえで、状況に合わせて楽しく虫干しができればいいですね。

通常の虫干しの仕方 方法

着物を吊るす】

1時間から2時間ほど、着物をハンガーに掛けて吊るします。

ハンガーは着物ハンガーを使うと、着物の型崩れやしわが付かないので良いです。

着物ハンガーが足りないときは洋風用のハンガーでも代用できますが、1時間ほどの短時間だけ掛けて終了します。

長い時間洋服用のハンガーに掛けておくと、着物の型崩れ、しわ、仕立てのくるいが出てしまうので、長時間かけておかないように注意してください。

 

着物を吊るす場所の高さが低い場合、着物の裾に汚れが付くことが気になりますが、下にたとう紙を敷いておくと着物に汚れが付くことを防止することができます。

吊り下げることで裾が袋になることが予防でき、着物の生地への負担が減ります。

すぐに畳むことができない場合や、裾を広げる場所がある場合はおすすめの方法です。

色やけやほこりが気になる場合は、着物を裏返しにして吊るすと防ぐことができます。

着物ハンガーに着物が直接触れてしまうことが気になる場合は、着物ハンガーを綺麗にしておくこともお忘れなく。

 

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私が使っている着物ハンガーです。

フックが鉄製なので、6㎏まで着物以外にも帯や帯締め帯揚げなど、まとめて掛けて置きことができます。

収納時のサイズ・・・58㎝×5㎝

最長サイズ・・・141㎝×10㎝

長尺のサイズなので、裄が長い人にも使いやすいです。

使いやすくて、お手頃な価格の着物ハンガーです。

【たとう紙の手入れ】

着物を包んでいる、たとう紙もお手入れが必要です。

着物と一緒に、たとう紙も乾燥させます。

同じたとう紙に納めたい場合は、吊るしてある着物の下に広げて置いておくと、後から探す手間が省けます。

たとう紙にシミがついていたり、角の部分が擦り切れるなどの劣化がある場合は、新しいたとう紙に交換します。

たとう紙の汚れが着物に移ってしまうことがあるので、古くなったたとう紙は早めに交換することをおすすめします。

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1枚、110円のお得価格です。

古くなったたとう紙はこまめに交換したいので、上質なたとう紙でなくても大丈夫

です。

小窓付きは中身が見えるので便利ですが、小窓の部分が色やけしてしまうことがあるので、内側に紙を当てておくことをおすすめします。

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大切な着物や帯には上質なたとう紙を使いたい場合は、美濃和紙で作られている高級なたとう紙があります。

吸湿性や通気性に優れた最高級和紙のたとう紙は1枚あたり約420円です。

内張薄紙付きで、薄紙の内側に小窓がついています。

表面に小窓がついていないので、光によるやけを防ぐことができます。

【箪笥の手入れ】

箪笥の引き出しの汚れや湿気を取り除きます。

箪笥にも思った以上に湿気が含まれています。

桐箪笥の場合は、引き出しの開け閉めのやりにくさで箪笥への湿気を感じることができます。

箪笥の引き出しを取り出して、中のごみを取り除き風を通します。

下の段の引き出しに湿気かたまりやすいので、下から着物の虫干しや箪笥の乾燥を行うと良いです。

【ブラッシング】

着物をブラッシングして、ほこりを取り除きます。

ほこりを取り除くと同時に、繊維を整えて着物に艶を蘇らせてくれます。

私は、ブラシの平田のブラシを使っていますが、着物用のブラシは、虫干しの時や着用後のお手入に毎回使うので欠かせません。

着物のほこり取りに ブラシの平野 の「手植え水雷型」ブラシを使っています。

【シミやカビの確認】

着物にブラッシングすると同時に、シミやカビなどの汚れがないかをチェックします。

衿や袖口、袂、上前、裾、などが汚れやすい部分なので、その部分は特にしっかりとチェックします。

長く着ていない着物の場合は、カビが発生していないかの確認が重要です。

特に黒留や黒無地などは着る機会が少なく、引き出しの中にしまいっぱなしの場合が多いと思います。

黒留や黒無地の生地は、重めの良い生地が使われていますが、このような生地は湿気を寄せやすいので注意が必要です。

カビが発生してしまうと、ほかの着物、特に同じ引き出しの中の着物に移ってしまうので、すぐに別の場所に移動させます。

カビは、水洗いをしなくては除去することができないので、すぐに専門店でお手入してもらいましょう。

着物をたたむ

15時ころまでに、着物をたたみます。

着物のたたみ方が正しくないと、着物にシワがついてしまいます。

着物をたたむときは、縫い目に沿ってや、畳んであった折り線に合わせてたたみます。

畳んだ中の空気を抜くと余計なしわが付かないです。

綺麗に畳まれていないときは、不均等な重なりがあるので注意してください。

着物のたたみ方 帯のたたみ方 初心者に簡単な女物男物子供の着物のしまい方

箪笥に納める】

絹の着物には防虫剤は必須ではありません。

種類の違う防虫剤を使うと反応を起こしてシミの原因になることがあります。

防虫剤を使う場合は、同じ種類の防虫剤を使います。

以前の防虫剤の成分が残っているので、防虫剤の種類は変えない方がいいです。

簡単な7つの仕方 方法

1年に1度行う】

着物が日常着として着られていた頃は、土用干し、虫干し、寒干しの年に3回の虫干しが行われていました。

実際には、年に3回も虫干しをするなんて、なかなか難しいことです。

3回もしないといけないと思っただけで、気が重くなってしまいます。

なので、1年に1度行うことにします。

1度にすべての着物を虫干ししなくてはいけないのも、大変なことです。

なので、手持ちの着物を年に3回の時期に分けて行います。

【衣替えの前に行う】

北陸のように湿気の多い地域では、湿気の高い季節が長いので、年に3回もできない場合があります。

なので、衣替えの時期に合わせて虫干しを行います。

袷から単衣、夏物の着物に変わる6月の前に1度行い、単衣から袷に変わる10月の前に行います。

3月4月5月の間と、暑さが収まる10月頃の2度行います。

衣替えでお手入れの必要な着物の整理をしつつ虫干しを行えば、一石二鳥ですね。

 

私の実際は、体感としては、4月5月が一番湿気が少なく爽やかな風を取り入れることができるので、この時期にすべて行いたいところですが、2カ月間あったとしてもすべての着物を虫干しするのは大変です。

そして、10月は残暑かと思えば、あっという間に気温が下がったりなど季節の移り変わりが急だと感じることが多く、虫干しをやり損ねることが多いです。

なので、1年の間に手持ちの着物半分を虫干しすることにして、2年に1回虫干しできれば良しとしています。

どんどん甘くなっていますが、ずっと箪笥の中に入れっぱなしになるよりかは良いですし、余裕があれば回数を増やせばいいです。

 

「虫干しをしなくちゃ」と思うと面倒になってしまいますが、着物は着ることが1番のメンテナンスになるので、着物を着る機会を増やし、着ることができなくても着物を取り出してコーディネートの工夫をするなどして、楽しみながら着物に風を通したいですね。

手持ちの着物の再確認もできるので、コーディネートの練習はおすすめです。

普段になるべく着物を着る機会を作って、フォーマルな着物を虫干しする方法が理想です。

【引き出しを1段づつ虫干しする】

1年に1回や2年に1回など考えずに、出来るときに箪笥の引き出しを1段ずつ虫干しするともっと気が楽です。

【フォーマルな着物だけ虫干しする】

特に黒留袖や黒無地は重めの良い生地が使われています。

このような目の詰まった生地は、湿気がたまりやすいので、カビのトラブルが多いです。

虫干しする時間がない場合は、着る機会も少ない黒留袖や黒無地だけでも、虫干しをすると良いです。

たとう紙に入れたままで虫干しする】

引き出しの中から着物を取り出し、たとう紙に納めた状態で室内に出します。

着物を吊るさなくても、引き出しから取り出しただけでも随分と違います。

引き出し1段すべての着物を取り出せば、それだけで箪笥の湿気も少なくなります。

【箪笥の引き出しを開けるだけ】

雛壇状に箪笥の引き出しをずらして開けておくだけでも、風が通り湿気が取り除かれます。

この方法なら、1年に3回といわず何回もできます。

【エアコン、除湿器の利用】

湿気の気になる季節には、エアコンの除湿機能や除湿器を使って除湿を心掛けるだけでも着物に湿気が移りにくくなるので除湿機能の活用は便利です。

着物の収納場所に除湿剤や防湿剤、引き出しの下に除湿シートを引いておけば安心できます。

 

15時までに着物をたたむのが理想的ですが、「できないときは翌日に畳めばいい」と柔軟に考えて、時間のある時に少しずつ出来る範囲で行えばいいと考えています。

虫干しの目的 メリット

着物の汚れ やけ 害虫 カビの防止や早期発見

虫干しには、着物に風を通して湿気を取り除くことと、着物を畳みなおして生地に適度な力を加えることを目的としています。

絹の繊維に皮脂や汗が残っている状態で保管しておくと、時間がたつことで汚れが表面化しさらに広がることがあります。

着物のカビは湿気以外にも、皮脂や汗の汚れが原因で起こりやすくなります。

汚れの発見と同時にカビの防止にも繋がるので、虫干しを行うことで早く見つけることができます。

 

長い間箪笥に入れたままにしておくと、太陽や蛍光灯の光に当たっていないにもかかわらず、生地がやけていることがあります。

これは、ガス焼けといい、箪笥の中で空気が滞ることで発生するガスが原因です。

箪笥に塗られた塗料や防虫剤によるガスが原因となるので、絹の着物には防虫材は必ずしも必要ではありません。

防虫剤を使っている場合は、虫干しを行うことでガス焼けを防止することができます。

絹の害虫の被害は比較的少ないですが、ウールは害虫の被害にあいやすいです。

ウールの着物は他の着物とは別々に保管し、防虫剤を使うと良いです。

 

保管する前にきちんとお手入れをすることが大切ですが、お手入れをしていたはずなのに長い間箪笥の中に入れたままにしておくと、思いもかけないトラブルにあうことがあります。

たとう紙の汚れが着物に移ることもあります。

私は過去に未使用の帯にカビを見つけたことがあり、それ以来着物のトラブルに気を付けるようになりました。

手持ちの着物の確認

手持ちの着物の管理はどのようにしていますか?

着物を着る機会が少ないと、どんな着物を持っているのか、忘れてしまうことがあります。

着物や帯のリストを作っておくといいのですが、ついつい後回しになって、いつの間にか存在を忘れてしまうことがあります。

虫干しは、手持ちの着物や帯を確認できる良い機会になります。

同じ着物や帯を見ても年齢とともに感じ方が変わってきます。

今まではそれほど好きではなかった着物や帯がお気に入りになったり、新しいコーディネートが閃いたり、着物や帯の新たな活用につながることがあります。

手持ちの着物や帯を見る機会を増やすためにも、虫干しはいい機会になります。

着物の虫干しのまとめ

虫干しの時期、季節

  • 土用干し・・・7月下旬から8月頃
  • 虫干し・・・10月下旬から11月頃
  • 寒干し・・・1月下旬から2月頃

虫干しを行う日、時間、場所】

  • 晴れた日の翌日、または2日以上晴れが続いた翌日に行う。
  • 10時から15時の間に、1、2時間干すくらいの短時間で行う。
  • 直射日光や西日の当たらない風通しの良い場所で行う。

虫干しの仕方、方法】

  • 着物を吊るす
  • たとう紙のお手入れを行う
  • 箪笥のお手入れを行う
  • ブラッシングを行う
  • シミやカビがないか確認する
  • 着物をたたむ
  • 箪笥に納める

【簡単気軽な虫干しの仕方、方法】

  • 1年に1度虫干しをする
  • 衣替えの前に虫干しをする
  • 1日に引き出しを1段づつ虫干しをする
  • フォーマルな着物だけ虫干しをする
  • たとう紙の状態のまま、風を通す
  • 箪笥の引き出しを開けるだけ
  • エアコンや除湿機を活用する

よく着物を着る人ほど、着物のトラブルは少ないです。

着物を着る機会を作るのが一番良いですが、なかなか着ることができない場合もあります。

時間のある時に少しずつ出来る範囲で行えばいいと気軽に考えて、虫干しを通して、着物に触れる機会が増えると良いなと思っています。

 

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