着物を着た後に自分で行う基本的なアフターケアの1つに、着物のほこりを取る作業があります。
こちらで、着物に付いたほこりの取り方について述べていますが、今回は私が実際に使っている「ブラシの平野」のブラシを紹介したいと思います。
お気に入りの着物を大切に長く活用したいと思っている方には、是非取り入れてほしいお手入れ方法です。
5年ほど前に、お正月にホテルニューオータニ東京でブラシを購入し、それ以来ずっと使い続けています。
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▼日々のお手入れ方法について▼
ブラシの平野の会社
昭和17年にペンキ刷毛の製造に始まり、昭和28年に有限会社平野刷毛製作所を設立しました。
工業用ブラシの需要の拡大や、生活の欧米化により家事用のブラシやヘアブラシ、洋服ブラシが次々と開発され、デパートでの販売も行われるようになり、現在では、「ブラシの平野」というブランドで全国の百貨店での展示会を通して販売されています。
着物ブラシの役目
着物ブラシの役目は、着物のほこりを落とすだけではありません。
着物の生地の繊維を整えるという役目もあります。
着物に付いたほこりを落とし、繊維を整えることで生地の光沢が蘇ってきます。
品質の良いブラシで正しく効果的なブラッシングを行えば、お気に入りの着物をいつも綺麗な状態に保つことが出来ます。
「ブラシの平野」のブラシの特徴
私が購入したのは、手植えの「手植え水雷型」ブラシです。
当時は19,950円ほどでしたが、現在は27,170円とかなり値上がりしています。
購入した当時も「高いな~」と思いましたが、買っておいて良かったです。
「手植え水雷型」のブラシは、伝統的な「手植え製法」により植毛されています。
職人の手で1穴ずつ植毛する手植え製法は手間がかかり時間もかかりますが、機械植毛に比べるととても丈夫なので、長い期間の使用が可能なブラシが出来上がります。
毛先はきめ細かく毛元はしっかりとしたコシがあり、カシミヤをはじめ、ウールや毛皮、シルク、着物などデリケートな素材にも安心して使える万能タイプのブラシです。
豚毛と比べると馬毛はやわらかい素材になり、「手植え水雷型」ブラシには中国産飛馬印の良質な白馬の尾毛が使われています。
着物のほこり取り・ブラシの正しい使い方
目には見えませんが、着物の着用により着物にはほこりが付いてしまいます。
ドライクリーニングなどの丸洗いは、着物の生地に負担がかかるので、着物のお手入れには、着用毎の正しいブラッシングが基本になります。
ブラシはこすって使うものではなく「払う」ことが大切です。
手首にスナップをきかせ「シュッシュッ」と払うように使います。
また、繊維の絡みをブラシでほぐすような感覚でほこりを払い飛ばすように使うと効果的です。
ブラシを購入したときに、職人さんに使い方を教えていただきましたが、思っている以上に、かなりしっかり目にブラシを使います。
それなりにしっかりとやってみましたが、その様子を見て、「それじゃあ駄目だね」と言われ、驚いた事を思い出します。
勢いをつけてブラシの「シュッシュッ」の音が聞こえることが目安になります。
≪ブラシの使い方のポイント≫
ブラシで衣服のほこりを払う時、どんなふうに、どんな角度でブラシを当てていますか?
この、ブラシの当て方がほこり取りのポイントになります。
多くの方がブラシの毛先の面を生地に当てて使っていると思いますが、その使い方ではほこりを落とす効果が半減してしまいます。ブラシの毛先面ではなくブラシの側面を生地に当てて、少し生地に押し当てて勢いよく手首を180度回転させてみてください。
「シュッシュッ」という歯切れの良い音が、正しく使われている目安になります。
是非、手元にあるブラシで音がなるか確認してみてくださいね。
≪ポイント≫
ブラシの毛先の面を生地に当てるのではなく、ブラシの側面を生地に当てて、そこから180度回転してほこりを払い落します。
≪着物ブラシを使う時の手首の使い方≫
- 着物ブラシの毛の側面を生地に軽く押し当てる。
- 勢いよく180度回転させる。
- ほこりを払う加減は、「シュッシュッ」の音が出る強さや速さを目安に行う。
- けっこう手首を動かします。
- 1連の動きを繰り返すと、生地も整います。
「手植え水雷型」よりもお求めやすい「着物ブラシ」もあります
終りに
日頃の簡単なお手入れが、着物を長く綺麗に保つことに繋がります。
ブラシを使ったほこり取りは失敗のリスクもなく、なおかつ着物をよい状態で保管しておくことに役立ちます。
お気に入りの着物を大切に長く活用したいと思っている方には、是非取り入れてほしいお手入れ方法です。
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