着物を自分でお手入するのは勇気がいりますが、帯締めや帯揚げなどの小物ならチャレンジしやすいです。
自分では気が付かないだけで、意外と帯締めや帯揚げが汚れている場合があります。
興味がある場合は、怖がらずに自分でやってみることが大切です。
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帯締めの汚れを発見 ショック!
道明の帯締め、冠の白鼠(しろねず)を片付けようと汚れの有無をチェックをしていたところ、藍色のような色移りの汚れを発見しました。
1番のお気に入りの白鼠の帯締めだったので、気が付いたときはショックでした。
帯締めの裏側なので、「自分で綺麗に出来るかも」と思い、チャレンジしてみました。
道明の帯締めを自分でクリーニングする方法
自宅おうちクリーニングの手順
【汚れのチェック】
まずは、汚れのチャックをします。
汚れの「場所」「大きさ」「汚れ具合(汚れがどの程度か)」「個数」を確認します。
汚れの程度を確認することで、繊維への衝撃負担を加減することも大切です。
ある程度の力を加えないと汚れが落ちないことがあるのですが、必要以上に叩いたりの衝撃を加えると繊維の撚れの原因になります。
リグロインを浸み込ませると汚れが分かりにくくなってしまうので、リグロインを使う前に確認することが大事です。
作業が終わってから他の汚れに気が付くこともあるので、2度手間を避けるためにも全体をしっかりと確認することをお勧めします。
【タオルに汚れを移して取る】
タオルに汚れを移すようにして、汚れを取り除きます。
私はリグロインをたっぷりと使いたいので、厚手のタオルを使っています。
まずは、汚れが付いている裏面からリグロインを浸み込ませて、汚れを直接叩いていきます。
繊維が寄れないように横方向に擦らずに、直角にポンポンを叩いていきます。
汚れが付いている部分が綺麗になったら、汚れが付いていない反対側の表面からもリグロインを浸み込ませて軽くたたきます。
汚れが裏面から表面に移り、汚れが残っていたら残念なので、裏表の両面を綺麗にするようにしています。
汚れ具合が1番ひどかった部分です。
リグロインが乾燥していない状態では、綺麗になったように見えます。
リグロインが乾燥した状態です。
一見綺麗になったように感じますが、上の部分は薄っすらと汚れが残っているように感じられます。
もう一度、作業を繰り返して終了しました。
自宅おうちクリーニングの仕上がり
結構、色移りしています。
汚れを確認してみると、濃い汚れや薄い汚れが6か所ほどありました。
よく見ると裏面だけでなく角の部分など、はじめに気が付かなかった部分にも汚れが付いていました。
1番好きな色の帯締めだったのでショックでしたが、汚れてしまったので仕方がありません。
「自分で綺麗にするぞ~」とクリーニングして、このような感じになりました。
よ~く凝視してみると、濃く色移りした部分の汚れがうっすらと残っているような気がしますが、それなりに綺麗になりました。
元の状態のように綺麗になるのが1番理想的なのですが、やりすぎによる2次的な劣化を避けるためにも、ある程度綺麗になったら良しという妥協点を見つけることも大切です。
自宅おうちクリーニングで使った道具、材料
【準備するもの】
- リグロイン・・・ベンジンよりも揮発性が高いので輪ジミができにくいです。
- 染み抜き用ブラシ・・・馬の毛を使った黒色の毛のブラシがおすすめです。毛の質が軟らかいので糸への負担が少ないです。
- 歯ブラシ・・・染み抜き用のブラシがない場合は、普通の歯ブラシでも代用できます。
- タオル・・・生地に汚れを移しとる役割があります。
- リグロインを注ぐ容器・・・陶磁器やガラスなどベンジンに解けない容器を使います。
リグロインがない場合はベンジンでも大丈夫ですが、リグロインの方が揮発性が高く輪ジミができにくいので、リグロインがおすすめです。
私は、こちらのタイプのリグロインを使っています。
輪ジミのリスクを少しでもなくすために、着物の染み抜きには「リグロイン」がおすすめです。
(第一石油類)奥田薬品 リグロイン 500mL※取り寄せ商品(注文確定後6-20日頂きます) 返品不可
こちらは、先にご紹介した商品よりもお手頃価格のリグロインです。
レビューによると、これといった違いはないようなので、着物のお手入を頻繁にされる方は、まとめ買いにおすすめです。
通販サイト以外では、画材屋などで購入することができます。
お店に置かれていない場合もあるので、事前に電話で確認をして取り寄せてもらった方が確実に購入することが出来ます。
汚れの原因は何?同じことを繰り返さないように確認しよう
お気に入りの帯締めを同じ原因で汚さないためにも、汚れた原因を確認することが大切です。
汚れが付いていた部分は、ちょうど両脇の帯締めの端を挟み込む部分でした。
藍色の色移りの汚れにように感じたのですが、「最近藍色の帯は使ってないし?」と思いつつ、いつ着物を着た時なのか振り返りました。
どうやら藍色ではなく紫色地の帯の色移りだということが分かりました。
紫色地の帯は化学染料の染めですが、新しい帯ではないので色移りしてしまったのかもしれません。
化学染料の染めでも、古いものは色移りしてしまう場合があるので要注意です。
着物への帯の色移りはなかったようなので良かったです。
過去の帯の色移りのトラブル
化学染料の染めでも、古いものは色移りしてしまう場合があるので要注意です。
過去にも帯枕が当たる場所の着物部分(着物の背中の部分)に、帯の染料が色移りしたことがあります。
この時も、お気に入りの単衣の着物だったので、かなりショックを受けました。
1か所目の悉皆では、着物の生地の劣化を考慮して染料がかなり残った状態のままでしたが、2か所目の悉皆では綺麗にしていただけました。
汚れを落とすことを優先すると、ほとんどの汚れを落とすことが出来るようですが、生地の劣化を考慮すると、どの程度まで汚れを落とすかは考え物なのだそうです。
たっぷりと汗をかく夏の季節に、母や祖母の古い帯を使うときは注意が必要のようです。
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