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洗える着物 桜楓文様の小紋と紋絽の江戸紫色の萩文様の名古屋帯のコーディネートの装い

桜楓文様の小紋と紫地の変わり絽の萩文様の名古屋帯のコーディネートの装い

洗える着物が1枚あると、とても便利です。

6月の梅雨の季節では、着物でのお出かけの予定の日に雨予報なんてことが多いですし、出先で突然の雨に合うなんてこともよくあります。

「雨の日は着物を着るのをやめる」ではなく、「雨の日は濡れても大丈夫な洗える着物を着る」ことで、濡れる心配をせずに着物のお出掛けを楽しむことが出来ます。

洗える着物 桜楓文様の焦げ茶地の小紋

毎年、雨の日に大活躍している桜楓文様の小紋は、きもの文化検定でお馴染みの服飾評論家の市田ひろみさんプロヂュースの洗える着物です。

仕立て上がりの着物ではなく自分のサイズに仕立てていただけて、かなりお得な価格だったと思います。

見た目にも洗える着物と気付かれたことはなく、さらりとした着心地で涼しく着用することが出来ます。

洗える着物が1枚あると本当に便利でおすすめです。

桜楓(おうふう)文様とは

春の桜と秋の楓を組み合わせて一つの文様にしたもので、季節を問わずに着ることが出来ます。

古くから絵画の題材として用いられ、代表作の一つに京都の智積院の障壁画である国宝の「桜図」「楓図」があります。

この「桜図」「楓図」をモチーフにした桜楓文様に、流水や雲、霞などを組み合わせて、現代のきものや帯の染色品に使われています。

四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねずみ) 焦茶色の着物

江戸時代では、どのような身分の者であっても贅沢な着物を着てはいけないという「奢侈禁止令」がたびたび発令されていました。

そのような中で、当時の人達は様々な工夫をして衣装を楽しんでいました。

江戸時代の後期には、茶色と鼠色の地味な色調に微妙な差異を見出す感覚が楽しまれていました。

四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねずみ)は、茶色と鼠色の色相が豊かで多くのバリエーションを生み出した江戸末期の色彩感覚を表現した言葉です。

茶色と鼠色は地味な色ではありますが、身近な存在である地味な色調を愛し、微妙な違いを深く追求することで生まれた表現だといえます。

 

今回のコーディネートの洗える着物の小紋は、焦茶色から極焦茶(ごくこげちゃ)のような濃い目の茶色です。

焦げ茶とは、物が焦げたような黒みがかった濃い茶色をいいます。

極焦茶(ごくこげちゃ)とは、焦茶よりも黒みの強い茶色をいいます。

 

販売価格、値段が安い場合でも、出来るだけそのように見えない着物を選びたいと思っています。

生地の質感は価格に比例する場合が多く、「目利き」が必要になります。

なので、出来るだけ安価に見えないような色選びを心掛けています。

籠目文様の紋絽地 江戸紫色の地色に萩文様の名古屋帯

桜楓文様の小紋と紫地の変わり絽の萩文様の名古屋帯のコーディネートの装い

絽の種類「絽」「経絽」「紋絽」「変わり絽」とは

平織と捩り織を組み合わせた織り方で、透け感のある生地を「絽」といいます。

緯糸の何本おきに捩り織を入れることによって絽目の細かさが変わり、本数の違いにより三本絽、五本絽、七本絽などがあります。

また、緯糸ではなく経糸の間に絽目が入っているものを「経絽」といい、絽目で文様を織りだしたものを「紋絽」、絽目を不規則にしたものを「変わり絽」といいます。

絽・・・緯糸を何本かおきに捩り織を入れる

経絽・・・経糸の間に絽目が入っているもの

紋絽・・・絽目で文様を織りだしたもの

変わり絽・・・絽目を不規則にしたもの

 

最近ではあまり見かけることが少なくなっているようですが、駒絽という生地もあります。

駒絽・・・撚りを掛けた駒撚糸を使い「絽」の生地を織りあげたものをいいます。撚りを掛けない糸を使う平絽と比べるとシャリ感があるので着心地が涼しく感じます。

 

今回の絽の名古屋帯は、籠目文様の絽目になっています。

絽目で籠目文様を描いているので、通常の絽の直線的な生地よりも、生地自体の主張が強いと思います。

絽目の部分も多いので、透け感も結構感じられる生地です。

 

透け感の強い夏帯の場合は、カラー芯を使うことで透け具合を調整することが出来ます。

九月の終わり頃に透け感が強すぎることが気になる場合は、カラー芯を使うことで透け感をお好みで調整することが出来ます。

少しの工夫で着用期間を長くすることが出来るので、拘ったお仕立手をするのも楽しみの1つになります。

京紫と江戸紫色 江戸紫の名古屋帯

京紫とは、赤みがかった紫色をいい、京都で染められた紫色をいいます。

京紫は古来から行われている伝統的な紫紺染めで染められた紫色をいい、伝統的な紫であることから「古代紫」と呼ばれています。

現代では、「京紫」と「古代紫」とは区別されていて、京紫は鮮やかで明るい色になり古代紫は落ち着いた色目の紫色になります。

江戸紫とは、青みがかった紫色をいい、歌舞伎の人気の演目である助六由縁江戸桜での主人公の助六が頭に巻いている鉢巻きに使われている紫色をいいます。

京紫が「古代紫」と呼ばれるのに対し、江戸時代の当時での今風の色として「今紫(いまむらさき)」と呼ばれています。

 

今回の変わり絽の紫色は、江戸紫よりももう少し青みの強い紫色の地色で染められています。

帯だけでみると鮮やかな印象のする強い紫色なので、焦げ茶色の着物に合わせることで派手な印象を押さえてみました。

萩文様とは

萩は秋の七草の1つです。

山野に自生し、夏の終わりに紅淡色や白い小さな花を沢山つけます。

文様としては、3つの小さな丸い葉の先に房状に小さな花が描かれていて、花や葉、枝を図案化したものになっています。

 

秋の七草とは、桔梗、萩、女郎花、撫子、葛、芒、藤袴をいい、これに、竜胆や菊などの秋の野原に自生して咲く草花を取り入れて文様化したものを秋草文様といいます。

秋の七草の中から1種類だけ用いて秋草文様とすることもあります。

猛暑や残暑が厳しい時期に身にまとうことで、季節の先取りとして味わえることから、夏の着物や帯、浴衣などの文様として用いられています。

道明の帯締め 白鼠(しろねず)色の冠組の帯締め

桜楓文様の小紋と紫地の変わり絽の萩文様の名古屋帯のコーディネートの装い

東京の上野池之端にある組紐道明さんによると

「白鼠:しろねず」
銀鼠よりひとまわり明るい鼠色をいいます。
その明るさは、墨の濃淡を五つの段階で区別する「墨の五彩」、焦、濃、重、淡、清の中で、一番淡い「清」にあたります。 「しろがねいろ」とも呼ばれており、その名の白は「明るい」意を表わしています。
白鼠の染法について記されていませんが、鼠染を最も淡く加減して染めたもののようです。鼠染の染法は「諸色手染草』に「茄子の木をやき炭となし、よくすりて木にてのべ、ごまめの汁少し入染てよし、但し酢にてとき染ればつやありていろよし」と見えています。
是非一本お加えいただきたい色です。特に古代紫には上品に映ります。

有職組紐道明

とあります。

この「白鼠(しろねず)」に一目惚れして購入したのですが、「特に古代紫に上品に映ります」ということで、古代紫ではありませんが紫ということで合わせてみました。

上品です。

私の着物の装いのテーマである「地味派手」にもピッタリです。

この「白鼠(しろねず)」の帯締めは、芭蕉布の帯に合わせた時も「野性味のある芭蕉布の帯を上品な印象にしてくれるな~」と感じたのですが、地味というよりも品を感じさせてくれる装いに変身させてくれる素敵な色目だと思います。

大好きなおすすめの帯締めです。

生成り無地芭蕉布の着物に琉球藍染め絣の芭蕉布九寸名古屋帯のコーディネートの装い

甕覗色の絽の帯揚げ

甕覗色とは、白い布を藍甕に極短時間の少しだけ浸した程度の軽く染めた薄い薄い藍の色をいいます。

藍染めは糸や布を何度も藍甕に繰り返し浸すことで染め上げるのですが、甕覗は藍甕を少し覗いたかのように、少しだけ染めたという意味でその名前が付けられました。

藍色は染め具合によって出来上がりが異なり、それぞれに色の名前が付けられています。

薄い色から順に様々な藍染の色の種類があります。

甕覗(かめのぞき)→水浅葱(みずあさぎ)→浅葱(あさぎ)→縹(はなだ)→納戸(なんど)→紺(こん)→上紺(じょうこん)

 

今回使った帯揚げは、甕覗が少し灰がかったようなニュアンスの色目です。

夏は出来るだけ涼しさを感じられるように「色目を控えめに」でも、「あまり揃えすぎずに」を意識して、帯締めと帯揚げを合わせてみました。

桜楓文様の小紋と変わり絽の紫色の萩文様の名古屋帯のコーディネートのまとめ

私の着物の装いのテーマを「地味派手」「地味可愛い」にしています。

今回のコーディネートでは、「焦げ茶」と「江戸紫」との色の組み合わせで「地味派手」の装いを目指しました。

細かい文様の着物と帯のコーディネートですが、色の持つ力、パーワーを優先させた組み合わせになりました。

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