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染の麻の長襦袢 失敗しない色の選び方や合わせ方

色付き、染の麻の襦袢

染の麻の長襦袢は、夏の着物姿をよりおしゃれに、そして涼やかに楽しむためのアイテムとして人気があります。色の選び方にはいくつかのポイントがあります。

  • 麻襦袢の色の出方
  • 着物の透け感の活かし方や抑え方
  • 透ける着物とのコーディネート

など、ご自身のスタイルに合う染の麻の長襦袢を選ぶ方法をご紹介いたします。

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麻の長襦袢の色の出方

80番手と100番手の麻の長襦袢では、生地の厚さの違いから色の出方に違いが出る可能性があります。

その理由をいくつか掘り下げてみましょう。

生地の厚みと透け感

  • 100番手: 糸が細いため、生地の密度が低くなり、より薄手で透け感が強くなります。同じ染料で染めても、生地自体が薄いため、光を通しやすく、結果として色の濃度が薄く感じられる傾向があります。特に淡い色の場合、よりその傾向が顕著になります。
  • 80番手: 100番手よりも糸が少し太いため、生地に厚みがあり、透け感も軽減されます。そのため、染料がより生地に留まりやすく、同じ染料で染めても100番手よりも色が濃く、はっきりと見えることが多いです。

染料の吸着量と飽和度

  • 生地の厚みや織り密度によって、繊維がどれだけの染料を吸着できるか(飽和度)が変わってきます。
  • 100番手のような薄手の生地は、繊維量が少ないため、吸着できる染料の総量も少なくなります。そのため、同じ量の染料を使っても、薄い色に仕上がりやすいです。
  • 80番手は、より多くの染料を吸着できるため、同じ条件で染めればより濃い色が出やすくなります。

光の反射と吸収

  • 色の見え方は、光の反射と吸収によって決まります。
  • 薄い生地は光をより多く透過させるため、生地が持つ本来の色の発色が抑えられ、光の影響を受けやすくなります。
  • 厚い生地は光をより多く吸収・反射するため、色が濃く、安定して見える傾向があります。

結論として

「100番手は生地が薄いので同じように染めても色が薄く感じる」というお話は、まさにその通りです。同じ染料と染め方でも、80番手の長襦袢の方がより深みのある、はっきりとした色に感じられる可能性が高いでしょう。

選び方のポイント

  • 色の濃淡の好み: 柔らかく淡い色の長襦袢を求めているのであれば100番手が、よりはっきりとした色味を求めるのであれば80番手が適しています。
  • 透ける着物との相性: 薄手の夏着物と合わせる場合、100番手の長襦袢の方が透け感を活かした涼やかなコーディネートがしやすいです。80番手だと、色がはっきりしすぎて透けた時に主張しすぎる可能性があります。

番手による生地感の違いにより色の見え方の違いを理解して、ご自身の好みや着物とのコーディネートに合わせて選ぶと良いでしょう。

着物の透け感を生かすか抑えるか

色付きの麻の長襦袢と透ける夏着物(絽、紗、麻など)の合わせ方は、夏の着物のおしゃれの醍醐味です。着物の透け感を「生かす」か「抑える」かで、印象が大きく変わります。

透け感を生かした使い方(涼やかさ、遊び心を演出)

透け感を生かす場合は、長襦袢の色を「見せる色」として捉えます。

薄い色の着物の下に濃い色の麻の長襦袢を透けさせて、カラーコーディネートを楽しむこともできます。

着物との色の組み合わせを楽しむことで、より洗練された印象になります。

また、長襦袢の濃い色味が中和されてマイルドな印象になる組み合わせもあります。

  • 着物の色と調和させる
    • 同系色のグラデーション: 着物の色と長襦袢の色を同系色で、濃淡を変えて合わせると、奥行きのある上品な透け感になります。例えば、水色の絽の着物に、少し濃いめの水色や青みがかった薄いグレーの麻襦袢を合わせると、涼しげで一体感が生まれます。
    • トーンの異なる色で奥行きを: 薄い生成り色の麻の着物に、ベージュや薄いグレージュの長襦袢を合わせると、柔らかな光が当たったような、ふんわりとした透け感になります。
  • 差し色として効かせる
    • シックな着物に鮮やかな襦袢: 墨色や紺色、濃いグレーなど、落ち着いた色の透ける着物の下に、鮮やかな色の麻襦袢(例えば、浅葱色、藤色、若草色、オレンジなど)を合わせると、袖口や裾からちらりと見える色がアクセントになり、粋でおしゃれな印象になります。特に、黒や濃い色の着物と合わせると、長襦袢の色が鮮やかに映え、涼感を損なわずに個性を表現できます。
    • 着物と補色に近い色で意外性を: 例えば、深い緑の着物に薄いピンクの長襦袢、あるいは茶系の着物に水色の長襦袢など、一見すると意外な色の組み合わせも、透け感があることで柔らかく馴染み、個性的なおしゃれを楽しめます。
  • 涼やかさを強調する色を選ぶ
    • 水色、薄緑などの淡い寒色系は、見た目にも涼しく、夏らしい清涼感を演出します。
    • 白っぽい生成りやごく薄いグレーも、透けても主張しすぎず、上品な涼しさを与えます。

ポイント注意点

  • 長襦袢の袖丈と着物の袖丈をぴったり合わせることが重要です。袖から出る襦袢の分量で印象が変わります。
  • 二部式の長襦袢は、腰の切り替え部分が透けてしまうことがあるので、透け感を生かす場合は避けた方が無難です。一部式の長襦袢を選びましょう。

透け感を抑える使い方(単衣のように見せる、透けすぎを防ぐ)

着物の透け感を抑えたい場合は、長襦袢の色を「着物の色に溶け込ませる」か、「透けをカバーする」ように選びます。特に、薄手の着物や、夏物でも少し落ち着いた印象にしたい場合に有効です。

  • 着物と同じ色、または近い濃い色の長襦袢
    • 黒や濃い色: 濃い色の着物(例えば、黒、濃紺、焦げ茶など)の下に、同じく黒や濃紺、濃いグレーなどの長襦袢を合わせると、透け感が軽減され、まるで単衣の着物のように見せることができます。光が当たった際にも透けにくく、落ち着いた印象になります。
    • 着物の地色に合わせた色: 例えば、紺色の絣の夏着物なら、紺や藍色の長襦袢を合わせることで、一体感が生まれ透け感が目立ちにくくなります。例えば、藍染の宮古上布を6月の暑い日に着たい時に、透け感を抑えて着ることが出来ます。
  • グレー系の長襦袢
    • 万能な透け対策: 薄い色の透ける着物の下に、ライトグレーやチャコールグレーなどの長襦袢を合わせると、透け感を抑えつつ、白襦袢よりも落ち着いた印象になります。グレーはどんな色とも馴染みやすいので、様々な着物に合わせやすいです。
    • 特に、白っぽい夏着物(白地の絽や紗など)で透けが気になる場合に、グレーの襦袢は有効です。白襦袢よりもコントラストが和らぎ、柔らかな透け感になります。
  • 肌の色に近いベージュ系
    • 特に薄い色の着物で透けが気になるけれど、襦袢の色を主張させたくない場合に有効です。肌の色と馴染むベージュ系の長襦袢を選ぶと、自然に透け感をカバーしてくれます。

ポイント

  • 長襦袢の生地が厚手であるほど、透け感は抑えられます。80番手などの麻襦袢を選ぶのも一つの方法です。
  • 肌着の色も重要です。長襦袢の下に着る肌着も、ベージュや薄いグレーなど、透けにくい色を選ぶとより効果的です。

色付きの麻の長襦袢は、夏の着物スタイルを豊かにしてくれる素晴らしいアイテムです。様々な組み合わせを試して、ご自身のベストなコーディネートを見つけてください。

着物とのコーディネート

色合わせのコツ

  • 着物・帯・小物全体でメインカラーを3色以内に抑えると、洗練された印象になります。
  • 麻の着物が生成りや藍、墨色といった静かな色調の場合、長襦袢や帯、小物で差し色を入れると洗練度が上がります。
  • 迷ったら「帯より1トーン明るい帯締め」を選ぶように、長襦袢も全体の色味のバランスを考えると良いでしょう。

個性、肌の色

  • 好きな色を優先: 最終的には、ご自身の好きな色を選ぶのが一番です。袖口から好きな色が覗くと、気分も上がりますよね。
  • 顔立ちとの相性: ソフトな顔立ちの方には薄めの色、キリッとした印象の方には濃いめの色など、ご自身の雰囲気に合わせて選ぶのも良いでしょう。

具体的な色の例

  • 色のトーン:
    • 薄めの色: 桑色白茶、ごく淡い水色、クリーム色、薄鼠(ライトグレー)などは、涼しげで上品な印象を与えます。盛夏にも着やすい色です。
    • 濃いめの色: 青藍、本紫色などは、より個性的でおしゃれ感を演出できます。
  • 爽やかさ重視: 水色、薄めのグリーン(若竹色など)
  • 柔らかい印象: クリーム色、桑色白茶
  • 女性らしい: ラベンダー色、本紫色
  • 万能色: 薄鼠(ライトグレー)、グレー

着用の場

染めの麻の長襦袢は、基本的にフォーマルな場での着用は避けた方が良いです。

麻は通気性が良く涼しいため、夏のカジュアルな着物によく合いますが、その性質上、カジュアルな素材とされています。フォーマルな場では、光沢があり、滑らかな絹素材の長襦袢が適切です。

特に、結婚式や披露宴、格式の高いお茶会などでは、絹の白または淡い色の長襦袢を着用するのが一般的です。

ただし、例外として、麻の着物自体が許容されるような非常にカジュアルな夏のパーティーや、親しい友人との集まりなど、TPOが許す場合には、染めの麻の長襦袢も選択肢になりえます。

染の麻の長襦袢の選び方 まとめ

染の麻の長襦袢は、夏の着物のおしゃれの幅を広げてくれます。透け感の活かし方や抑え方、そして番手による色の見え方の違いなど、色々と試しながらご自身のスタイルに合う一枚を見つけてください。

 

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