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浴衣を着物風に着る着方 夏着物になる浴衣の柄 生地 帯 着付け方法 

撫松庵の蒲穂の絵羽浴衣に柳宗の紗の名古屋帯

浴衣を着物風に着る浴衣のお洒落を知っていますか?

最近では浴衣を着物風に着ることが雑誌などに取り上げられるなど、このような浴衣の装い方が若い女性の間で人気があります。

浴衣というと夏のお祭りや花火のイメージもあり、大人の女性にとっては、浴衣を街中のお出かけ時に着るのは抵抗を感じると思います。

しかし、着物愛好家の中では浴衣を着物風に着る装いを取り入れて、気軽な街着やお洒落着として上手に着こなしていらっしゃる方が沢山います。

浴衣を着物風に着ることで、大人の女性が浴衣を上品に着こなすことができます。

特に40代からの女性が浴衣をワンランクアップし格をあげて装う浴衣の活用方法として、または夏着物は暑いからという理由で諦めている方は、是非取り入れてみてはいかがでしょうか。

浴衣を着物風に着る着方・着付け方法

撫松庵の蒲穂の絵羽浴衣に柳宗の紗の名古屋帯

雨の日に撫松庵の蒲穂に兎の絵羽浴衣を着物風×柳宗さんの生絹九寸名古屋帯のコーディネートの装い

【浴衣と着物の着方の見た目の大きな違い3つ】

  浴衣 着物
長襦袢・半衿 長襦袢を着用しないため、半襟がない 半襟を付けた長襦袢を着る
帯締め・帯揚げ 使わない 使う
足袋 履かない 履く

着物風に着る着方・着付け

浴衣を着物風に着る場合は、落ち着いた色目の浴衣が上品で素敵です。

白い半襟とつけることでレフ板効果が得られるので、顔周りを華やかに見せることができます。

通常の長襦袢以外にも、長襦袢を用いずに半襟を付けられ簡単に着ることができる、着物便利アイテムをご紹介します。

長襦袢・半襟

着物の着付けと同じように着るので、下着の上に半衿を付けた長襦袢を着てその上に、浴衣を重ねて着ます。

長襦袢の素材は、麻、麻絽、綿絽、爽竹、ポリエステル、王上布などが涼しく、自分で洗濯などのお手入れを手軽にすることができ便利です。

衿付き半襦袢

半襦袢とは長襦袢の上半身だけの襦袢のことをいいます。

夏用の半襦袢に半衿を付けて下半身はステテコを活用すると、暑さ対策にもなり、簡単に着物風に着ることができます。

衿付き肌襦袢

暑さ対策の便利アイテムとして、夏用の衿付き肌襦袢というものがあります。

肌着である肌着に衿がついているので、半衿とうそつき袖を付ければ半襦袢と同じように着ることができます。

衿付き肌襦袢が1枚だけだと心配な場合は、衿付き肌襦袢の下にタンクトップを着ることで汗対策にもなります。

1枚少なくなるので、涼しく簡単に着ることができます。

うそつき衿

衿だけが独立しているものを、うそつき衿といいます。

うそつき袖を付けた肌襦袢に、うそつき衿を重ねると長襦袢を着なくても着物風に着ることができます。

こちらも1枚少なくなるので、涼しく簡単に着ることができます。

 

暑さ対策としては、メッシュの衿芯メッシュの帯板シリコン性の腰紐がおすすめです。

帯締め・帯揚げ

帯結びに帯締めと帯揚げを使うことで、浴衣の格をあげた装いをすることができます。

また小物の合わせ方によって、同じ浴衣でも色々な着方を楽しむことができるので、コーディネートの幅が広がります。

浴衣としての着方では、主に浴衣と帯の合わせ方の違いになってしまいますが、着物風の着方では、帯締め帯揚げの合わせ方が増えることで、準備をする楽しみが何倍にも増えます。

3分紐を使って帯留を合わせると、さらに華やかな装いになります。

夏帯は袷の時期の帯に比べるととても軽いので、3分紐が不安な場合でも気軽に使うことができます。

足袋

足袋を履きます。

夏用のレースの足袋がありますが、レースの足袋の場合はカジュアルな印象をあたえてしまいます。

浴衣を着物風に格をあげて着る場合は、通常の足袋を履いた方が品があり素敵です。

夏着物になる浴衣の選び方

浴衣を着物風に着るときは、着物風に着ても違和感のない浴衣を選ぶことが大切です。

柄が大きくなく色数が少ないものやシンプルなもので、生地がコーマ地でない浴衣がお勧めです。

夏着物に活用できる浴衣選びの3つのポイント】

           浴衣選びの3つのポイント
柄・文様 大柄を避ける、古典柄、絞り、着物の小紋を参考にする
色目 カラフル過ぎない、落ち着いた色目、色数が少ない
生地・素材 綿絽、綿紅梅、絹紅梅、綿縮、綿麻、麻、ポリエステル(セオα)

浴衣の柄・文様

有松絞り 有松鳴海絞りの浴衣を着物風に着る 菊青海波文様のぼかし染

大人の女性が浴衣を着物風に着る場合、浴衣の柄の大きさは大柄よりも小柄な柄付けがお勧めです。

青海波やむじな菊などの、生地全面に文様が繰り返されている柄付けもおすすめです。

着物感覚の浴衣の柄や文様ということで、着物の小紋の柄や文様を参考にするとわかりやすいです。

また最近では、小紋以外にも絵羽の柄付けの浴衣も見られます。

絵羽浴衣の場合は、生地の質にもよりますが着物風に着てしまうと夏着物にしか見えない利点があります。

例えば撫松庵のセオαの生地の絵羽浴衣がありますが、セオαの生地自体がさらりとしていることもあり、浴衣ではありますが柄付けが絵羽なのでほぼ夏着物として着ることができます。

浴衣を着物風に着る浴衣選びとしてあまりおすすめできないのは、大柄の浴衣です。

大柄の浴衣は若々しく華やかが印象が強いので、本来の浴衣としての装いの方が浴衣の良さを生かすことができます。

お勧めの浴衣

長板中型の浴衣

長板中形は江戸時代から続く伝統的技法で染められた浴衣です。

伝統技法で丁寧に染められた長板中型の浴衣は高級感が感じられ、大人の夏着物としての贅沢な装いになります。

竺仙では現在も、江戸時代から続く伝統技法を守りながら浴衣が染められています。

長板中形は、江戸小紋と同じように精緻な型紙を使い、表と裏の柄が同じように天然藍を使い浸し染めで染められていて、白と藍のコントラストが魅力的な浴衣です。

表と裏の柄が同じように染められているので、八掛のつかない単衣仕立ての夏着物の裏地のこだわりを感じることができます。

また江戸小紋のように、遠目には無地に見えるほど細かく精緻な文様の長板中型もあります。

江戸時代の庶民が、普段着や浴衣として着ていた長板中形は、現在では手間暇がかかることから、とても贅沢なものになっています。

浴衣といえば長板中形

注染(ちゅうせん)

注染は、静岡「浜松注染」や東京、大阪で生産されている最も一般的な染色方法で、布の上に染料を注いで染める多色染をいいます。

明治20年頃に大阪で考案され、それまでの長板中形のような手間がかからない手法により飛躍的に生産効率が上がりました。

当時は画期的な方法であった注染も、機械印刷の浴衣が大半を占めている現代では、手染の浴衣として貴重な浴衣になっています。

たっぷりと注いだ染料を下から吸引することで布の下まで染料がしみこみ、長板中形のように両面が染まります。

注染の技法により、両面染めだけでなく多色染も簡単にできるようになりました。

伝統的な白紺染めは「一色染」といい、カラフルな染は「差分染(さしわけそめ)」、2・3枚の型紙を使い差分染を繰り返した繊細な文様を染める「細川染」の3種類の技法があります。

着物風に装うには、紺白の「一色染」や繊細な文様の「細川染」がおすすめです。

浴衣の色目

浴衣の柄同様に色目や色数が控えめな浴衣の方が、大人の女性が浴衣を着物風に品よく着こなすのに適しています。

上品に装うには、色柄が控えめでシンプルな浴衣をおすすめします。

長板中形や注染のような伝統的な技法で染められた白紺の浴衣は、上品な装いにおすすめです。

大柄の浴衣らしい柄付けと同様に色使いが華やかな浴衣は、浴衣らしさを生かすためにも浴衣としての装いが適しています。

浴衣ならではの色鮮やかで華やかな色使いは、浴衣としての装いが本来の良さを生かすことができます。

浴衣の生地・素材

絞り、綿紅梅、綿絽、綿縮、麻など生地に風合いがある素材や、ポリエステルの中でも東レのセオαの生地は、しなやかでさらりとした着心地がおすすめです。

浴衣と着物の違い9つ浴衣と着物の生地の違いも、ご覧ください。

綿の浴衣

絞りの浴衣

絞り染の技法で柄を表した浴衣です。

絞りの生地には絞りによる凹凸があり、通常の平織りの浴衣よりも優しい雰囲気があり高級感を感じさせます。

以前、愛知県名古屋市の有松で購入した有松絞りの綿素材の浴衣も、購入時に「広衿仕立にしておけば、長襦袢を合わせて夏着物としても着用できますよ」と教えていただきました。

実際に着物風に着てみると、絞りの特徴である凹凸により空間ができることで肌への貼りつきが軽減され、綿素材ですが思っていた以上に涼しく過ごすことができました。

絞りの生地は平織の綿コーマ素材と比較すると、生地が軟らかくふんわりとしていることも魅力のひとつです。

有松絞りの浴衣や着物とは 歴史や特徴 工程 お手入れ方法 お得に安く買う方法など

奥州木綿

やや茶色がかった地色が特徴的で、綿素材ですが紬のようなざっくりとした素材感から奥州紬とも呼ばれています。

生地に紬風の風合いがあるので、着物としての装いにおすすめです。

綿紅梅、絹紅梅

格子状に太い糸を織り込んだ生地を紅梅(こうばい)といいます。

格子状の透け感のある紅梅の生地は生地自体にニュアンスがあるので、夏着物として活用のできる浴衣として重宝します。

綿絽

絽の生地は上質で上品な印象があり、絽の透け感が夏の着物風の装いによく合います。

絽の生地は透け感があるので、長襦袢や下着に気を付けて、透け防止対策をしかっりとする必要があります。

綿縮(めんちぢみ)

綿縮の生地には縮による細かな凹凸があり、さらりとした感触が肌に気持ちいい着心地を与えてくれます。

綿麻の浴衣

綿の持つ柔らかさと麻の持つ通気性や独特のシャリ感の、2つの素材の良いところを併せ持つ生地です。

麻の浴衣

通気性、吸湿性、速乾性に優れており独特な張りがあり、さらりとした肌触りが特徴です。

天然素材の中でも繊維が強く、柔らかな光沢をもっています。

ポリエステル

ポリエステルの中でも東レのセオαがおすすめです。

安価なポリエステルの生地は、見た目にもいかにもポリエルテルと分かってしまいます。撫松庵で使われている東レのセオαの生地は、優れた吸水性、速乾性、軽くてさわやかな着心地が特徴です。

セオαの浴衣、特に撫松庵では絵羽柄の柄付けの浴衣があります。

浴衣ですが少し格をあげて夏着物として浴衣を着用したい場合は、撫松庵の絵羽浴衣をお勧めします。

撫松庵の浴衣の中では絵羽浴衣がお勧めですが、絵羽浴衣以外にも華やかな柄や色目であっても、着物風に着ることができる浴衣が多いのも、撫松庵のおすすめポイントです。

セオアルファの浴衣の生地とは 単衣着物の反物や撫松庵の絵羽浴衣のおすすめ

【平織り綿コーマ】

しっかりとした平織の浴衣は、仕立上がると思った以上に生地に厚みを感じ、生地自体での風通しを期待することができないので、意外と暑さを感じる生地といえます。

涼しさを求めて夏着物として着物風に着用するには、あまりお勧めは出来ない素材になります。

実際に平織の綿素材の浴衣を夏着物風に長襦袢を重ねて着用したことがありますが、生地の重さが気になり1度きりの着用になってしまいました。

また、浴衣の代表的な生地である綿コーマは、生地自体に浴衣のイメージが強いため、着物風に着ると違和感を感じてしまいます。

綿コーマの浴衣は、浴衣として装うことをおすすめします。

浴衣を着物風に着る帯や小物選び

【浴衣と着物を着るときの帯や小物使いの違い】

  浴衣 着物
反幅帯、兵児帯、袋名古屋帯(八寸帯) 丸帯、袋帯、名古屋帯(九寸帯)、袋名古屋帯(八寸帯)、京袋帯、反幅帯
帯締め・帯揚げ 使用しない 使用する
足袋 基本的には履かない 必ず履く
履物 下駄 草履、雪駄、下駄

夏着物を着るときに使う、名古屋帯(九寸帯)、袋名古屋帯(八寸帯)、京袋帯を使います。

名古屋帯をお太鼓や角出しや銀座結びに結ぶことで、着物らしい装いになります。
角出しや銀座結びは少しカジュアルな印象になりますが、お太鼓結びの場合は、目上の方と会う場合にも適した装いになります。

名古屋帯と合わせることで格をあげた着物風の装いは、気軽なお食事会やお出かけ、お稽古事など、浴衣よりもややフォーマルな場であっても着用することができます。

帯締め・帯揚げ

着物や帯に合わせて、夏用の帯揚げをコーディネートします。

帯締めは、夏用の物でなくても通常の帯締めを1年を通して使うことができます。

涼しさを感じさせる色合わせをおすすめします。

足袋

通常の足袋を履きます。

麻素材の夏用の足袋もありますが、通常のキャラコの足袋で大丈夫です。

レースの足袋もありますが、足袋がレース素材になっただけで着姿全体がカジュアルな印象になってしまうので、個人的にはおすすめしません。

草履

着物風浴衣の場合は、足袋に草履を合わせると上品な印象になります。

夏の普段着には、パナマ素材の草履がおすすめです。

着物を浴衣として着る?

浴衣を着物風に着ることはありますが、着物を浴衣として着ることはまずありません。

着物の方が生地がよいことや、綿や麻、ポリエステルだとしても衿の仕立てに違いがあります。

浴衣の着付けの場合、肌に直接着物の生地が触れてしまうので、着物の衿の部分が汚れてしまうことになります。

着物の格を下げて、浴衣として着ることはありません。

浴衣を夏着物風に着る着方のまとめ

【浴衣と着物の着方の見た目の大きな違い3つ】

  浴衣 着物
長襦袢・半衿 長襦袢を着用しないため、半襟がない 半襟を付けた長襦袢を着る
帯締め・帯揚げ 使わない 使う
足袋 履かない

履く

夏着物に活用できる浴衣選びの3つのポイント】

           浴衣選びの3つのポイント
柄・文様 大柄を避ける、古典柄、絞り、着物の小紋を参考にする
色目 カラフル過ぎない、落ち着いた色目、色数が少ない
生地・素材 綿絽、綿紅梅、綿縮、綿麻、麻、ポリエステル(セオα)

【浴衣と着物を着るときの帯や小物使いの違い】

  浴衣 着物
反幅帯、兵児帯、袋名古屋帯(八寸帯) 丸帯、袋帯、名古屋帯(九寸帯)、袋名古屋帯(八寸帯)、京袋帯、反幅帯
帯締め・帯揚げ 使用しない 使用する
足袋 基本的には履かない 必ず履く
履物 下駄 草履、下駄

「浴衣は気軽に着られるから興味があるけど、着物は難しそう」と、着物に対してハードルが高く感じている場合は、簡単に着ることができる浴衣を夏着物として着物風に着ることをお勧めします。

 

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