麻織物の最高峰「宮古上布」とは?歴史・特徴・証紙・お手入れ方法など

麻織物の最高峰「宮古上布」とは?歴史・特徴・証紙・お手入れ方法など

上布(じょうふ)・中布(ちゅうふ)・下布(かふ)とある中で一番上等な布であるのが上布です。

北の「越後上布」に南の「宮古上布」と言われているように、最高級の2大上布です。

今回は沖縄県宮古島で生産される、国の重要無形文化財に指定されている「宮古上布」について勉強してみました。

「砧打ち」による独特な光沢が美しい宮古上布は、つややかで繊細な地風の麻織物です。

宮古上布の着尺・七宝柄の絣

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宮古上布とは?

宮古上布とは?書籍では分からない宮古上布の歴史・特徴・素材

と重なる部分がありますが、合わせてご覧ください!

宮古上布の歴史

・16世紀に琉球王国に献上された、大名縞の紺上布である「綾錆布」が「宮古上布」の始まりといわれている。

・17世紀に琉球王国が島津藩の支配下となり、宮古島では「人頭税」として成人女性に織物の納付が義務付けされた。

・厳しい管理下で作られる一方で、技術が発達した。

紺上布は琉球から薩摩藩にも収められ、「薩摩上布」として人気を博した。

・明治後期に「人頭税」が廃止され自由に生産と販売ができるようになった。

・大正時代に「薩摩上布」から「宮古上布」に改称された。

・大正初期に大島紬で用いる「締機」が導入され、紺地白絣がさらに細かくなり、夏の高級織物として高く評価される。

・「締機」と共に「手括りでの絣」を作る技術も伝承されている。

・1978年に製造技術が国の重要無形文化財に指定される。

・2003年に「苧麻糸手績み」が国の選定保存技術に選定される。

宮古上布の特徴

・薄手の地風に蝋引きしたような光沢が大きな特徴。

・独特の光沢は、サツマイモの澱粉糊で布の表面を糊付けし、仕上げの「砧打ち」によるもの。

・経緯糸ともに手績みの苧麻糸を使い植物染料で染め、高機で織りあげる。

・絣糸の作り方は、「締機」による織締めと「手括り」の2種類がある。

・苧麻栽培から仕上げまで、全工程を宮古島で行っている。

制作技術の指定要件

「文部科学大臣が指定する重要無形文化財の制作技術の指定要件」と「経済産業大臣が指定する伝統的工芸品の制作技術の指定要件」があります。

重要無形文化財の制作技術の指定要件

・すべて苧麻を手紡ぎした糸を使用する。

・絣糸は、伝統的な「手結」または「手括り」によるもの。(伝統的工芸品の指定要件では「締機」による絣糸作りも含まれる)

純正植物染による染色。

手織り(越後上布はいざり機による織り)

・仕上げ加工は木槌による手打ちを行い、使用する糊は天然の道具を用いて調整する。

伝統的工芸品の制作技術の指定要件

手績みの苧麻糸を使用する。

・絣糸は「締機」または「手括り」によるもの。

植物性染料による染色。

「先染めの平織」「手投杼」による打ち込みにより制作された物。

4種類の宮古上布

・「重要無形文化財指定の宮古上布」・・・経緯糸ともに手績みの苧麻糸を使用。

・「宮古苧麻織」・・・経糸にラミー糸、緯糸に手績み糸を使用。

・「宮古麻織」・・・経緯糸ともにラミー糸を使用。

・「宮古織」・・・経糸に木綿、緯糸にラミー糸を使用。

宮古上布の見分け方

「耳じるし」がある・・・絣の模様が合うように筬通しの幅で付けられた印(弓浜絣にもあります)

・古い能登上布には、宮古上布の砧打ちの光沢に真似た加工が施されている製品があるので、リサイクル品などでは「耳じるし」の有無を確認したほうがよさそうです。

重要無形文化財指定の宮古上布とその他の証紙

重要無形文化財指定の宮古上布の証紙

宮古織物事業協同組合による宮古上布の検査項目に合格した証しの証紙です。

宮古織物事業協同組合による宮古上布の検査項目に合格した証しの証紙

「宮古苧麻織物」「宮古麻織」「宮古織」の証紙

宮古織物事業協同組合による宮古織物検査項目基準に合格した証の証紙です。

宮古織物事業協同組合による証紙。「宮古苧麻織物」「宮古麻織」「宮古織」の証紙

草木染の宮古上布に貼られる証紙

宮古織物事業協同組合による草木染の検査項目基準に合格した証の証紙です。宮古織物事業協同組合による草木染の宮古上布に貼られる証紙

*重要無形文化財の指定条件で作られた製品か、絣糸の制作方法については、証紙では確認できません。

宮古上布の着物や帯

宮古上布といえば新里玲子さんが有名ですね!

新里玲子さんの薄い色目の無地の着尺の写真を見て、いつもうっとりしながら溜息をついています❤

「越後上布」同様に高級麻織物ですね~。

宮古上布のお手入れ方法

麻素材なので自宅で水洗いができます。

・浴槽に水をたっぷりと溜めて押し洗い(こすらないように注意)する。

・洗剤を用いる場合は、弱アルカリ性の洗剤を薄く使用する。

・絞らずにバスタオルなどで水気を吸い取る。

・水が滴り落ちる状態で、着物ハンガーに通し風通しの良い日陰で、影干しする。

お店に依頼するときは、汗などの水溶性の汚れは丸洗い(ドライ洗い)では落ちないので、汗取りをお願いしたほうがよさそうです。

藍染の場合、ギョっとするくらい藍の染料が出てくるそうですが、大丈夫だそうです。

終わりに

織物は繊細で美しい宮古上布は、見ているだけでも心がわくわくしてきます。

しかし、宮古上布の耐え難い歴史を知ると、美しい織物を作る技術の中にある当時の人々の心の痛みを感じずにはいられません。

着物を勉強する上で、歴史的背景を含めて織物をとらえることも大切なことだと感じました。

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