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牛首紬とは 牛首紬の着物や帯の特徴や白山紬との違い 先染めの牛首紬について

夏牛首紬の袋帯

石川県白山市白峰で作られている牛首紬ですが、現在は白山工房と加藤改石の2つの工房でのみ生産されています。

今回は角印でおなじみの白山工房の白山開山1300年祭記念での展示会で、牛首紬についてお話を聞いてきました。

 

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牛首紬とは?

 

日本三大紬(結城紬・大島紬・牛首紬)の1つである牛首紬ですが、経済産業大臣指定伝統工芸品の牛首紬の定義の代表としてあげられるのが2つ

①緯糸全てに玉糸を使用

②先染めの縦糸・緯糸を使用

牛首紬の特徴

通常の牛首紬で使用する糸は、経糸(30~40個の繭で1本の生糸)緯糸(60個ほどの玉繭で玉糸)を使用しているそうです。

精錬してセリシンを除去した玉糸は、生糸と比べると節による不均一感や「のべびき」により沢山の空気を含んで、ふわふわの優しい触り心地を感じることができます。

 

玉糸作り…玉糸を煮込み手作業で糸を紡ぎ出す(のべびき)

 

のべびきをする際には昔ながらの木製の糸巻きを使用するそうです。

木製の糸巻きにより玉糸のテンションのかかり具合が軟らかくなり、空気を程よく含んだ玉糸になります。

 

面白話…2頭のお蚕さんが作り出す玉繭ですが、この2頭は雄雌のカップルで1つの玉繭を作っているのだそうです。

どんなに引き離しても再び寄り添う2頭のお蚕さんです。

牛首紬の生産量

年間2000反ほどしか生産されていない牛首紬ですが、その中でも先染めの生産量は1~2%しかないそうで一般市場ではなかなかお目にかかれない貴重な先染め織物なのだそうです。

日本一高級な白生地として有名な牛首紬の白生地による後染めのおきものや帯を拝見する機会はあっても、先染めの縞物はなかなか店頭にならばないということです。

ましてや縞以外の先染めの牛首紬となるとほぼ皆無かもしれませんね…

先染めの牛首紬

そんな貴重な先染め牛首紬ですが、今回の展示会では経縞・橫縞・絣織・訪問着などが展示されていました。

先染めの中でも経縞の着尺は馴染みがあるかもしれませんが、橫縞・絣織・訪問着となると牛首紬の中でもかなり貴重な商品だと思います。

その中でも特に貴重な物が亀甲絣の着尺です。亀甲絣により、いろいろな文様を織り出しています。

 

年間生産量は1反!

 

正確に言うと2年で3反だそうですが、本当にレアで貴重な商品です。

これこそ市場に出回ることはまずない牛首紬です。

牛首紬の絣は結城紬の○○亀甲や大島紬の○○マルキのような基準となる単位はないのですが、最も細かい絣で反幅に130個の亀甲があるそうです。今回展示されていた絣物は最高の130亀甲のタイプでした。

 

大島紬の光沢感・シャリ感…

結城紬の真綿のほっこり感…

両者の中間的なちょうど良い塩梅の織物と説明していただきましたが、まさにその通り、適度な光沢にさらりとした風合いの中にも玉糸の優しい肌触りが感じられるような牛首紬絣でした。

 

ちなみに牛首紬絣は本藍染めによる絣染めなのですが、本藍染めにより繊維が適度にしなやかになり牛首紬の中でも最高の着心地なのだそうです。



夏牛首紬の袋帯

セリシンを多目に残した糸が使用してあるので、シャリ感が強い生地です。

現在はこのようなシャリ感の強い帯は作られていないそうです。

石田巳代治先生の牛首紬の白生地を使用した加賀友禅のおきものや袋帯も多数展示されています。

他にも絞り、坂口幸一先生の加賀小紋、前田仁仙先生の更紗、昼夜帯、古代悠久牛首紬、羽衣牛首紬等も制作されています。

牛首紬と白山紬との違い

緯糸のみ節糸を使うのは共通していますが、白山紬は人工的に節をつけた糸、スラブヤーン(故意にところどころに太い部分をつくる)を使しています。

牛首紬は本来の玉糸を使用しています。

 

以前は経糸、緯糸共に玉糸を使っていた牛首紬があったそうです。

白山工房では古代悠久牛首紬として再現されています。

 

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