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牡丹文様(植物文様)の歴史や意味 着用の季節 時期

牡丹と言えば「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」

美しい女性の容姿や立ち居振る舞いを花に例えて形容する言葉です。

芍薬は枝分かれせずに茎がまっすくに伸びているので立っている美人に、牡丹は低く横にはっているので、座って落ち着いている美人になぞられています。

 

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牡丹

概要・歴史的背景

牡丹は奈良時代に中国から伝えられました。

もとは薬用(鎮痛、消炎、浄血)として用いられていた牡丹が観賞用となり「百花の長」「百花の王」「富貴の花」として愛されてきました。

古くから詩歌、文学、絵画の題材となり、平安時代には衣装の文様として用いられるようになりました。

室町時代に渡来した名物裂にも用いられています。

 

因みに芍薬の別名は「花相」です。

別名

「富貴花」「百花王」「花神」「二十日草」「天香国色」「深見草」等々

富貴花(ふうきか)・・・中国皇帝から非常な寵愛を受けたと言われている牡丹

天香国色(てんこうこくしょく)・・・ 天下一の香と国一番の色をもつ花の意味

開花時期

春牡丹・・・4~5月

寒牡丹・・・10月下旬~1月

冬牡丹・・・1~2月

牡丹文様

衣装としての用い方

着物に限らず日本の文化においては季節に先駆けて文様を用いられ、1か月程の季節の先取りがお洒落とされています。

 

一般的な品種の春牡丹の開花時期が4~5月であることから春のイメージがありますが、様々な花やいろいろなものと共に描かれ、華やかさを表現するようなものや文様化されたものは、季節を問わず吉祥文様として訪問着や振り袖などに用いられています。

 

吉祥文様・・・幸せを願う心を託した文様、良い前兆の意味

 

拘りのあなたには

・春の季節に・・・写実的な表現のもの

・冬の季節に・・・雪囲いと共に描かれる寒牡丹

写実的な牡丹の帯を雪輪や雪の結晶のお着物に合わせて寒牡丹、冬牡丹の装いはいかがでしょうか?

蒔糊を雪に見立てて牡丹との組み合わせもありかな?

 

憧れの季節限定柄として用いるのも、お着物の楽しみ方の一つですね。

 

 

個人的には拘りの装いや単独で写実的に描かれている名古屋帯やお着物以外は、桜文様と同様に牡丹文様の持つ華やかなイメージを身に纏うという意味で、細かな季節は気にしなくても良いと思っています。

そう考えると、牡丹文様は着装時期の広い文様と受け止められます。

 

以前、お着物通な方から「少し早めに11月頃から牡丹の文様を取り入れると素敵よ」と教えていただいたことがあります。

 

どんどん活用してどんどん楽しみたいですね。

文様の組合わせ

牡丹唐草・・・名物裂として用いられています。

唐獅子牡丹・・・能の石橋に由来されています。

獅子は「百獣の王」牡丹は「百花の王」と呼ばれ、よい組み合わせとされています。

蝶牡丹・・・中国の伝説や荘子の夢からうまれました。

蟹牡丹・・・葉の部分がはさみの形で家紋にも用いられています。

番外

平安時代に始まった女性の重ね着の配色日に襲色目があります。

牡丹の襲色目は、「表が白」「裏が紅梅」です。

 

因みに襲色目と重ね色は違います。

重ね色・・・衣の表地と裏地の色の組み合わせ

 

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