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日本の伝統色の赤色染料「コチニール」とは?赤色の染料供給不足が問題化!

ポイント、刺し色使いの「赤色」「紅色」の長襦袢・帯締め・帯揚げ

きもので「赤色」「紅色」というと思い浮かべるのが、長襦袢や小物類です。

袖口からちらりと覗く長襦袢の紅や帯締めの房に紅色を配したもの・・・

綸子の絞りの帯上げ、草履の前ツボなど、ポイント使いで取り入れることで地味目なコーディネートにも女性らしさが加わり素敵な装いが楽しめます。

合成染料は中国が世界生産量の70%を占めていますが、2018年頃から中国の環境規制強化に伴い環境基準に満たない企業は、操業停止や工場閉鎖などの措置が下されているようです。

そのため染料の供給不足、特に赤色の供給不足が長期化しているようです。

何歳になっても女性にとって特別な「赤色」「紅色」が貴重な存在になる日がくるのでしょうか?

日本の伝統色の赤色、紅色の原料には、茜、紅花、蘇芳、コチニールなどがありますが、今回はコチニールを使った「赤色」「紅色」について紹介します。

 

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コチニールとは?

コチニールカイガラムシと呼ばれています。

サボテンに寄生する虫で体に含まれる色素成分の含有量が多いため、色素利用されるカイガラムシの中では最も多く利用されています。

コチニール染めによる赤を「猩々緋(しょうじょうひ)」「臙脂色(えんじいろ)」といいます。

 

コチニールは食品着色料や化粧品などにも用いられていて、意外と身近な存在です。

コチニールやエンジムシなどから採集された天然の色素は、化学染料が広まった現在でも友禅や紅型の染料として広く利用されています。

猩々緋(しょうじょうひ)

猩々緋は黄色みがかった鮮やかな赤で、室町時代後期からの南蛮貿易による舶来品の中の毛織物のうち、特に羅紗に猩々緋が使われていたといわれています。

 

猩々緋の緋は、深緋(こきあけ)、紅緋(べにひ)など、「あけ」や「ひ」と呼ばれています。

緋「あけ」「ひ」の色名は、603年に聖徳太子が定めた「冠位十二階」により身分階級を色で管理するようになってからです。

「紫、青、赤、黄色、白、黒」の6つの色の濃淡で12色に分けられていました。

「あけ」が「あか」に呼ばれるようになったといわれています。

 

因みに、平安時代には「思ひの色」と呼ばれていたそうで、平安の人々のロマンチックな感覚にうっとりしてしまいました。

 

宮古上布の勉強をしたときにいただいたコチニールです。

紅色の染料・コチニール

臙脂色

臙脂色は黒みをおびた深くて艶やかな赤色をいいます。

古代の中国では、「燕」の国の燕支山に咲く紅花を何度も繰り返し染めた濃い色の紅が非常にすぐれていたことから、燕産の化粧紅がブランドになり「燕支」「臙脂」となり、後に「臙脂(えんじ)」と呼ばれるようになったといわれています。

色料の臙脂は、2種類に分けられます。

ひとつは紅花を染料とする植物性の「正臙脂(しょうえんじ)」で、もうひとつはエンジムシやコチニールの雌虫の赤い色素からとれた動物性の「生臙脂(しょうえんじ)」です。

両方ともに濃い紅色ですが、動物性の「生臙脂」のほうが紫がかった濃い深い紅色です。

コチニールやエンジムシなどから採集された天然の色素は、化学染料が広まった現在でも友禅や紅型の染料として広く利用されています。

終わりに

赤は太陽や火の熱く活発なイメージがありエネルギーを感じさせる色で強い刺激があります。

気分を高揚させる働きから元気を与えてくれたりします。

小さなポイント使いでも大きな効果を発揮してくれる「赤色」「紅色」を上手に活用したいですね。

 

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