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薔薇文様(植物文様)の歴史や意味 着用の季節 時期

加賀繍の薔薇の刺繍の膝掛け

日本文化を代表する着物に薔薇文様を用いるイメージはあまりないかもしれません。

日本人が好んだのは梅や桜、菊、牡丹ですが、これからは薔薇に限らずその時代の良い物を着物の中にも取り込んでいくと、着物の世界ももっと楽しく広がっていきそうですね。

 

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薔薇

世界の歴史

・ギリシャ神話では愛の女神アフロディーテまたはヴィーナスを飾るために神々によって作られたという記述がある。

・古くから美の象徴として薔薇が愛されていた。

・クレオパトラは薔薇を愛好し、バラの花や香油を使用したと伝えられている。

・王妃マリー・アントワネットの肖像画「薔薇を持つマリー・アントワネット王妃」にはロサ・センティフォリアというピンクの薔薇が描かれている。

・ナポレオン皇妃ジョゼフィーヌは「現代薔薇の母」と呼ばれている。

・故英国皇太子妃ダイアナに捧げられた薔薇として、エレガント・レディ(別名ダイアナ プリンセス オブ ウェールズ)は英国で「イングランドの薔薇」と呼ばれた。

日本の歴史

・薔薇の自生地として世界的に知られており、日本原産に「ノイバラ」「テリハノイアラ」「ハマナシ」がある。

・古くは「うまら」「うばら」と呼ばれ、「万葉集」や「古今集」に詠まれている。

・明治以降に現在のように「花の女王」として愛好されるようになったが、まだまだ西洋の「高嶺の花」の存在だった。

名称

・「薔薇」の名は日本語の固有語で「いばら」が変化したものである。

・「薔薇」は音読みで「そうび」「しょうび」とも読ぶ。

・別名として「玫瑰」(まいかい)や「月季」(げっき)もある。

花期の分類

・「一期咲き」「返り咲き」「繰り返し咲き」「四季咲き」がある。

・6月の誕生花であり夏の季語であるが、冬薔薇(ふゆそうび)となると冬の季語になる。

薔薇文様

着物の文様としての用い方

・日本では「万葉集」や「古今集」に詠まれていましたが、文様としてはあまり使われていなかった。

・大正時代以降に西洋の薔薇が文様として人気が出た。

・現代では図案化した薔薇が振袖や訪問着、小紋、浴衣などに使われている。

季節から見た用い方

・花期の分類から見て「一期咲き」「返り咲き」「繰り返し咲き」「四季咲き」があることから、季節に関係なく1年を通して用いることができる。

・冬の季語に冬薔薇(ふゆそうび)があることから冬の季節にも用いることができる。

 

個人的には薔薇は薔薇の持つ華やかなイメージが優先するので、季節感というよりも着用する場の雰囲気に合わせて用いることができたら素敵だなと思います。

薔薇の枝の染料

染織家の志村洋子さんんが薔薇の枝を煮出して作った染料で染めた絹糸で染織家の志村洋子さんんが薔薇の枝を煮出して作った染料で染めた絹糸です。

緑がかった香色が美しい絹糸です。

終わりに

昔の日本人にとって薔薇は野の花のイメージでかわいらしいけれど棘が厄介な存在で、現在のような優美な存在ではなかったようです。

日本を代表する着物に、西洋文化をイメージする薔薇は不似合いと思わず、薔薇の持つゴージャスなイメージをイブニングドレスのように装うことができたら素敵ですね!

 

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