最近再び気になっている着物が、無地感覚の落ち着いた色合いの着物です。
特にマイブームでお気に入りなのが、薄いグレーやベージュ系、または藍染めの紺色の着物です。
薄いグレーやベージュ系の無地の着物は以前から好きでしたが、藍染めにはあまり興味がなく、特に惹かれることもなかったのですが、宮古上布の紺上布をきっかけに藍染めに興味がわいています。
年齢と共に着物の見方や感じ方、着物との付き合い方が変化し、感心の向く着物も変わってきています。
そんなところにも着物の奥深さを感じ、何度でも「きもの熱」が再び復活してしまうのが、着物の楽しさなのだと思います。
これが、よく言われている「きもの沼」なのですね。
今回は、マイブームの藍染めの宮古上布120総亀甲絣の着物と生成り麻の八寸名古屋帯の夏の薄物のコーディネートの装いです。(記事公開が遅くなりました)
宮古上布120総亀甲絣の着物
宮古上布は上布の中でも最高級品の2大上布のひとつといわれています。
宮古上布の藍染めの紺上布の中には、縞やいろいろな絣で文様を表したものがありますが、私が好きな藍染めの宮古上布は総亀甲絣の着物です。
遠目には無地に見えるすっきり感が垢抜けた感じがして、でも近くで見ると細かな総絣で手が込んでいるのがわかるという、一見してすぐには分からないところがお気に入りポイントです。
宮古上布のナンミンタマ絣も好きな総絣ですが、かなり珍しい絣のようで、あまりお目にかかる事がありません。
「宮古上布「紺上布」のコーディネート・お気に入り5選」のNO.1の宮古上布が、ナンミンタマ絣の着物です。
亀甲絣よりも、可愛い感じのする絣だと思います。
亀甲絣と蚊絣を比較すると、亀甲絣は本来は男性が着用するために作られた着物で、蚊絣は女性らしさを感じることが出来る絣文様といわれています。
今回の総亀甲絣は男前な120亀甲絣の着物です。
経糸が髪の毛1本の太さしかない宮古上布は、その薄さや軽やかさ、透け感から「蝉の羽」といわれています。
宮古上布を着ていると本当に軽くて涼しく、上布には付き物の皺にさえ愛着がわいてきます。
何時頃からか「夏きものが特に好き」と思うようになりましたが、薄物の着物の見た目のはかなさに加え、軽さや着心地の良さ、何といっても体の楽さが好きなのだと思います。
宮古上布には、夏の暑さをはねのけて更なる「きもの沼」に導く凄いパワーを感じます。
正しい宮古上布の糸績み
宮古上布の糸績みの説明に訂正があります。
先日、宮古島で宮古上布の糸績みをされている女性職人さんに、糸績みの実践を見せていただきました。
紙縒りのように糸と糸の端をまっすぐに絡ませます。
宮古上布の糸1本は、髪の毛の太さと同じといわれていますが、2本の糸を撚り合わせて1本の糸を作っているので、作業量が2倍以上になります。
着物好きの垂涎の的が宮古上布といわれているのは、そういった糸作りの拘りの深さが感じるからなのかもしれませんね。
垂涎の的の宮古上布ですが、近年では糸績みをする人が少なくなり、教えてくださった宮古島の女性職人さんも「本当は機織りの職人だけど、糸績みをする人がいないから、最近やり始めたんですよ」と言っていました。
平成14年には生産反数が10反にまで落ち、平成16年、17年には20反まで回復した宮古上布ですが、糸縒り職人さんの現状を聞くと、ますます貴重な着物になりますね。
生成り麻の八寸名古屋帯
亀甲絣のきりっとした雰囲気が好きで、男前な着物に女性らしさを感じさせる帯の組み合わせがお気に入りです。
今回合わせた生成りの麻の八寸名古屋帯はマラフルな水玉文様が染められています。
この水玉文様の麻の帯は特に思い入れもありませんが、せっかく手元にあるので活用しようと思っています。
水玉に合わせてマーブル・インザ・ポケットの帯留を合わせてみました。
藤岡組紐店の別誂えの3分紐の帯締め
ビビッドな青の3分紐が欲しくて別注したものの、実際にはコーディネートが難しくてなかなか出番のなかった藤岡組紐店の帯締めです。
夏帯は軽くて滑りにくい素材のものがおおいので、帯留のお洒落を楽しみたい人には良い季節だと思います。
今回は宮古上布の藍と帯留、帯締めのブルーで統一感があるコーディネートになったと思います。
「ビビッドブルーの3分紐を活用できてよかった~」と満足した組み合わせでした。
玉子色の絽の帯揚げ
帯と帯揚げの色目を近くすると腰高に見える効果がありそうで好きなのですが、「通常は帯と帯揚げの色は揃えない」ということを教えていただきました。
「全く同じ色ということはまず無い」とも言われたので、すっきりと同じ色目の帯揚げを合わせてみました。
夏はあまりごちゃごちゃさせずに、「涼しそうに見える」を優先したほうがお洒落に感じます。
この時のセルフヘアアレンジ<<<