「蝉の羽」と称される能登上布は盛夏の着尺地です。
生産量が非常に少なく、越後上布、宮古上布と並び贅沢な麻の逸品です。
出来れば「良い物を安く!」こんなふうに思っている方、多いと思います。
店舗や場所によって販売価格に結構な差があると感じている方、多いと思います。
お着物の流通について詳しいことは分かりませんが、私もその一人です。
今回、東京ドームシティ・プリズムホールで開催された「いしかわ伝統工芸フェア」に伺ってお着物好き、特に夏きもの、上布好きな人には嬉しいお得な情報があったのでお知らせしたいと思います。
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能登上布とは?
能登上布の歴史
能登の麻織物は、神話時代の言い伝えもあるほど歴史が古く、江戸時代には麻糸の生産地として知られていました。
上布が本格的に織られるようになったのは、江戸時代後期で、のちに改良がくわえられて明治後半に能登上布という名称が使われるようになったそうです。
能登上布の特徴
平織で櫛押し捺染や板締めによる緻密な経緯絣が特徴ですが、最近ではさっぱりとした絣が求められているそうです。
能登上布の薄さ、軽さ、透明感は「蝉の羽」にも例えられており、麻の持つシャリ感とひんやりとした風合いや丈夫さが特徴といわれています。
石川県指定無形文化財の能登上布は、ラミー糸と呼ばれる紡績の麻糸を用いているため、比較的お手頃な価格とされています。
現在では山崎麻織物工房が能登上布の唯一の織元になってしまいました。
*山崎仁一工房(やまざき・じんいち)から山崎麻織物工房へ名称変更されています。
フェア・催事での低価格なお得情報!
よくある「○○フェア」やデパートでの全国の工芸の催事ですが、実は何が魅力なのか、よく分かっていませんでした。
現地に行かなくても見ることができる、欲しければ購入することができるくらいの程度に思っていましたが、実はそうではなさそうです。
呉服屋以外で、能登上布の販売や地元の金沢近辺で催事をされている印象がなかったので、販売されることがあるのか伺ったところ、「地元では問屋に卸してしまうので、個別販売はしていない」とのことでした。
なので「今回のフェアのような催事での購入」もしくは「能登の山崎仁一工房での購入」が一番お得に低価格で購入できるとのことでした。
今回の「いしかわ伝統工芸フェア」以外では大阪でも催事をされているそうです。
(詳しい大阪の催事内容は忘れてしまったので、機会があったら確認してみたいと思います。)
能登上布の着尺や新作の八寸名古屋帯も数点展示されていました。
絣の着尺を購入されている方もいましたよ~。
山崎麻織物工房(前・山崎仁一工房)
山崎麻織物工房では、精緻な熟練の技の見学や機織り体験もされています。
お着物のお誂えも可能のようです。
現在の作品や昔織られていた柄の端切れ、先代の作品など見せていただけるかもしれませんね
営業時間は9時~17時
定休日は、日曜日、お盆、年末年始
日曜日がお休みなのは残念ですが、電話で確認してみると良いかもしれませんね。
金沢市内からは1時間、富山県からは2時間弱ほどかかるそうです。
まとめ
能登上布の着物や帯を「1番お得」に「低価格」で購入出来るのは!
- 東京で毎年開催されている「いしかわ伝統工芸フェア」東京ドームシティ・プリズムホール
- 大阪でのフェア
- 山崎麻織物工房
の3か所になります。
北陸地方の方は、これから暖かくなったら、ドライブがてら山崎麻織物工房へ行ってみるもの楽しそうですね。
山崎麻織物工房の他にも能登上布会館があるので、合わせて見学に行くと、とても充実しそうです。
遠方の方も有名な「ランプの宿」に予約を入れて、温泉と能登上布を満喫する旅はいかがでしょうか?
能登牡蛎も桜の咲くころが、一番実がプリプリして美味しいそうです。
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