石川県立美術館 森羅万象をまとう
友禅 重要無形文化財保持者・人間国宝 木村雨山・二塚長生の仕事
木村雨山の没後40年の節目を記念して、加賀の地にゆかりのある、友禅の重要無形文化財保持者・人間国宝である木村雨山・二塚長生の代表作が公開されています。
関連行事の二塚長生先生による展示作品解説を聴きに行ってきました。
石川県立美術館内のホールで、スライド上映での出品作品の解説は、たっぷり2時間弱の作品解説でした。
二塚長生先生による展示作品解説
解説内容
二塚長生先生は木村雨山先生の実際のお仕事に携わったことがあるそうで、木村雨山先生の作品作りについて、その経験をふまえてお話されました。
・図柄や色をリズム的に捉えている。
・日常の中で目にする物を配置している。
・更紗を取り入れた図柄が根底にある。
・更紗の強さを、現在の技法と合わせて作り上げる。
・1度だけでなく、2度3度と見て良さがわかる。
・抽象の中に具象。
・一服の絵画のような下図。
・目立つことをいかに抑えるか。
・赤の綺麗さ、藍との対比。
・特徴として、必ず加飾されている。
特に初期の作品には、友禅に絞り、刺繍、箔、金泥を加えることで、織に負けない重厚感を目指している。
・無地場を効果的に考える。
・上前がいかに綺麗に見えるかが大切。
・新しい加賀友禅の今後のあり方を考えていた。
このような内容でした。
小袖の柄付けを取り入れたり、更紗の力強さを友禅で表現したり、リズム感、立体感、無地場の効果、重厚感、日常にみるモチーフを大切にすることなど沢山のお話をいただきました。
私は加賀繍に取り組んで少しずつ配色を考えたりデザインを考えたりするようになりましたが、妄想を実際の形にと取り組むことは、どちらもとても難しいです。
悩みだしたら、ず~っと悩んでいられそうです。
漠然と考えていたら五里霧中。前に進みません。
きもの歴史、新しさ、日常をポイントに
・何をしたいのか?
・何が出来るのか?
・その時に出来る事を最大限に取り組む!何かに挑戦する!
ことを大切に取り組んでいきたいと思います。
対局にあるような2人の友禅作品です。
木村雨山先生は既に新しい加賀友禅の今後のあり方を考えていたそうですが、現在の加賀友禅と比較するとデザイン、色、技法ともに斬新さを感じました。
昨年2017年には新しい加賀友禅の取り組みがあり、今後も制作プロジェクトは続けられるます。
どのような新しい加賀友禅を見ることができるか、とても楽しみです。
聴講情報
今回は友禅の重要無形文化財保持者・人間国宝である木村雨山先生の作品作りについて友禅の重要無形文化財保持者・人間国宝である二塚長生先生が、ご自身の作品作りと共にお話されましたが、聴講は無料です。
他にも関連行事として
2月10日(土)「木村雨山の図案とスケッチ」
こちらも聴講は無料です!