「驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ」を観に行ってきました。
2014年に全国6会場を巡回した「超絶技巧!明治工芸の粋」展が大好評を博し、その企画の第2弾として、明治工芸と現代アートの超絶技巧(漆工・金工・木彫・七宝・陶芸・刺繍絵画など)が対決する展示会でした。
前回同様に明治の刺繍絵画を楽しみに伺いましたが、今回も実際の超絶刺繍絵画の繊細な糸使いに、あちらこちらから感嘆の声が聞こえてきました。
刺繍絵画を観られる機会は、あまりないので貴重です。
「驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ」は富山県水墨美術館で開催されています。
「明治の刺繍絵画」の驚異の超絶技巧!
明治の刺繍絵画名品集 清水三年坂美術館コレクション [ 村田理如 ] の中の作品でお気に入りの「粟穂に鶉図」84×84です。
お気に入りの「粟穂に鶉図」の作品を間近に見ることが出来て感動しました。
どのように繍ってあるかというと・・・
・垣の向こう側で粟穂をついばむ鶉が5羽います。
・粟穂は小さな相良繍で細かく繍われていて、足元には深紅の紅葉が数枚散っています。
・黒地に黄土色の垣や鶉、粟穂、それに対する紅葉の紅色の対比が美しいです。
・鶉は撚糸で刺し繍で表されていて、くちばしの先や羽の輪郭、羽の芯には肉入れがなされているようです。
・垣は肉入れにより、立体的に表されています。
・鶉の頭上には繊細過ぎて見逃してしまいそうな蜘蛛の巣と蜘蛛があります。(写真では蜘蛛の巣がわずかに見えます。)
・1菅の絹糸使いでの蜘蛛の巣は本物の蜘蛛の巣のようでした。(釜糸1本は12菅でなっているので、1菅を扱うのはとても繊細な作業です。)
実際の作品を観て感じたこと・・・
構図や色使い、繍の高度な技はもちろん素晴らしいのですが、一番印象に残ったのは作品の大きさに対して繊細な糸使いで表現してあるところでした。
1菅での蜘蛛の巣もそうですが、粟穂の一粒一粒をとても小さな相良繍で表現してあるのには感動しました。
垣の肉入れ具合なども繊細な表現で素敵でした。
今回の展示会では他にも「獅子図」「瀑布図」「鷹に鴉図」「天鵞絨友禅」などの作品が展示されていました。
明治の刺繍絵画名品集 清水三年坂美術館コレクション [ 村田理如 ]で沢山の刺繍絵画を観ることが出来ます。
明治の超絶技巧!刺繍絵画は素晴らしいです。
「現代アートの刺繍絵画」驚異の超絶技巧!
刺繍絵画での現代アーティストでは、青山悟さんの作品が展示されていました。
ミシン刺繍での刺繍絵画ですが、刺繍といわれなくては気が付かないかもしれません。
終わりに
今回の「驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ」では、明治工芸と現代アートの超絶技巧が対決する展示会でした。
現代アート作品もとても素晴らしく手の込んだ作品が沢山展示されていました。
アーティストの方自身が「こんなことするんじゃなかった」と思うほど気が遠くなるような作業の積み重ねの結果、完成した作品のようです。
人に感動を与えるにはエネルギーが必要ですね!
お見逃しなく!「驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ」展
三井記念美術館、岐阜県現代陶芸美術館、山口県立美術館での開催は終了
2018年11月16日(金)~12月24日(月・振)・・・富山県水墨美術館
2019年1月26日(土)~4月14日(日)・・・あべのハルカス美術館