牡丹と蝶の花丸紋の加賀繍の駒塩瀬名古屋帯を作ります。
途中経過ですが、加賀繍の流れをまとめてみました。
牡丹と蝶の花丸紋では、牡丹の花びらの「刺し繍」を集中的に勉強します。
大ぶりの牡丹の花が3つあるので、結構な仕事量になります。
牡丹と蝶の花丸紋の加賀繍・お太鼓部分の刺繍の流れ
牡丹の花びら
まずは牡丹の花から繍っていきます。
3つの牡丹は白からベージュ色をベースに配色しました。
それぞれ微妙に異なる印象に暈してあります。
一番上の牡丹は外側から内側へ向かって、濃い色から薄い色に暈しています。
加賀友禅でいう「先ぼかし」「外ぼかし」の技法になります。
左下の牡丹は内側に向かって濃い色に、黄緑の色を使って変化をつけてみました。
右側の牡丹は中心を白にして外側はベージュ、内側は黄緑の色を使ってあります。
こちらは、庭で育てたニュアンスカラーの薔薇の花弁をみた時に、綺麗なグラデーションだったので参考にしてみました。
因みに私が一番好きな牡丹は左下の配色です。
あなたは、どの牡丹が好きですか?
蝶
次に蝶に取り掛かります。
まずは、一番小さな蝶から繍っていきます。
羽は黄色と緑の2色使いで暈しを入れています。
次は一番大きな蝶(胡蝶)に取り掛かります。
牡丹の白ベースを生かすように、カラフル胡蝶で華やかな雰囲気にしてあります。
どんどんカラフルになってきました。
このような配色はどのように変化していくのか、わくわく楽しい気持ちで繍い進めていくことが出来ます。
早くこの先を見てみたいと思いながら繍っていました。
3つ目の胡蝶はこんな感じに仕上がりました。
3つ目の胡蝶は紫と黄土色の配色が気に入っています。
またまたですが、私は3つ目の胡蝶がお気に入りです。
あなたは、どの胡蝶が好きですか?
牡丹の葉
次は葉を繍っていきます。
円形の形が現れて、ようやく花丸紋らしくなってきました。
灰がかった瑠璃色の地色になじむ糸をベースに、緯縫い切りやまつい繍の技法で繍ってあります。
ところで、一番小さな蝶がすっきりしたのにお気づきでしょうか?
金糸や銀糸、辛縒り、桂縒り(長短の糸を縒り合せて、ぼこぼこした凹凸のある糸)など生地に閉じつけていくタイプの糸の場合、後処理として引き抜きの技法を用いて綺麗に仕上げていきます。
この引き抜きの技法ですが、とても地味で手間のかかる作業なのです。
1本ずつ糸を引っ掛けて、表に出ている糸の端を裏に引き抜いていきますが、大概「あ~大変だな~」と思ってしまうので、「これが終わると綺麗な刺繍が現れる~」と唱えながら行っています。
牡丹文様については
蝶文様については