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牡丹と蝶の花丸紋の加賀繍・日本刺繍の「下絵・草稿・骨書」「図案」

牡丹と蝶の花丸紋の加賀繍の名古屋帯の腹部分の最終形の下絵・斜めに流れ図案①

名古屋帯のお太鼓部分が終り、腹部分に取り掛かろうとしている作品が2つあります。

牡丹と蝶の花丸紋の加賀繍 と 加賀友禅「鶴の恩返し」に加賀繍のあしらい です。

 

腹部分の下絵・図案を自分で考えなくてはいけないのですが、これがやはり難しいのです。

加賀繍の工程については、加賀繍の歴史・特徴・工程 をご覧ください!

 

今回は、牡丹と蝶の花丸紋の加賀繍の腹部分の下絵・図案についてまとめてみました。

 

最終的に辿り着いた「下絵」がこちらです。

採用になるか否かは後程のご報告になります!

牡丹と蝶の花丸紋の加賀繍の名古屋帯の腹部分の図案・斜めに流れ図案

日本刺繍の「下絵」「図案」

「あたり」「下絵・草稿・骨書」「図案」

「あたりをする」とは、考案者の頭の中の構想を図案家が紙面に具体化していく過程をいいます。

考案者と図案家が自分の思いや意見を交えながら、おおよその構想が具体化されて「あたり」が出来上がります。

全てひとりで構想を練る場合は「あたりをする」ことはないということになります。

 

具体化された「あたり」をもとに細部まできっちりと描いたものが「下絵」となり、この「下絵」のことを「草稿」といいます。

また、図案の骨組みという意味で「骨書(こつがき)」ともいいます。

出来上がった「下絵」をもとに考案者と図案家が再度検討をして「図案」制作にとりかかります。

 

「図案」とは、完成した「草稿」に彩色したものをいいます。

配色は作品自体の出来栄えを大きく左右する要因となるので、配色・色選びは図案家の腕の見せ所になります。

 

ということは・・・

厳密にいうと、今までは「図案」を考えずに「下絵」の状態で作品に取り掛かっていたことになります。

確かに、配色でもいろいろと悩みながら進んでいました。

刺繍糸の微妙な色目を紙面に上手く表せるかは難しいところですが、全体の大まかな配色のイメージは明確にしておいた方がよさそうですね。

牡丹と蝶の花丸紋の名古屋帯の腹部分の「下絵」

初めに考案した「下絵」

牡丹と蝶の花丸紋の加賀繍の名古屋帯の腹部分の図案・初めに考案した下絵

ついつい、盛りたくなるのは相変わらずです。(たっぷりとした刺繍が好き)

牡丹と蝶の花丸紋にあわせて、腹部分も丸紋をイメージするように半円を上下に配置しました。

蝶をひとつと牡丹の蕾をひとつを加えて決定~

当初は蝶を2つ+小さい蝶もひとつ配置していて、もりもり状態でした。

1番目の「下絵」をシンプルにした「下絵」

牡丹と蝶の花丸紋の加賀繍の名古屋帯の腹部分の下絵・初めに考案した下絵をシンプルにした下絵

時間をおくと、「なんだか、もりもり過ぎない?」と感じるようになり、蝶はなくすことに決定!しました。

そうすると、下の半円部分のバランスがおかしく感じはじめます。

どうにも上手くいかないので、じ~っと「下絵」を見つめていると、更にあっさりと「上の半円ひとつでもいいかも?」と思うようになり・・・

更にシンプルにあっさりさせた「下絵」

牡丹と蝶の花丸紋の加賀繍の名古屋帯の腹部分の下絵・牡丹の花をひとつに減らした下絵

上の半円牡丹だけにしてみました。

下の半円を取り除くと、生地幅とのバランスがおかしくなるので少し拡大して、かなりあっさりとした腹部分の「下絵」の完成です!

 

それが・・・

基本的にたっぷりとした刺繍が好きな私は、「なんだか、物足りない」のです。

最終的に辿り着いた「下絵」

牡丹と蝶の花丸紋の加賀繍の名古屋帯の腹部分の最終形の下絵・斜めに流れ図案

そして、最終的に考えたのがこちらの斜めに流れた牡丹です。

初めに考えた「下絵」から随分変化しましたが、いかがでしょうか?

 

もっとよい「下絵」になるよう、手直ししてもらえたら嬉しいです。

終わりに

「下絵」や「図案」の工程は、日頃あれこれと妄想している頭の中にあるぼんやりとした構想を、実際の紙の上に具体的にアウトプットする作業です。

ぼんやりとしたものを具体的にデザインし、納得のいくものに仕上げることは、本当に難しい作業です。

物をみる力、感じる力、表す力・・・

勉強しなくてはいけないことが沢山あります。

 

牡丹と蝶の花丸紋の加賀繍の工程はこちらをご覧ください!

牡丹と蝶の花丸紋の加賀繍①駒塩瀬名古屋帯のお太鼓部分の途中経過!

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