刺繍装飾による魔除け・妬み嫉みからの護身法

刺繍装飾による魔除け・妬み嫉みからの護身法

世界の刺繍展を見に文化学園服飾博物館へ行ってきました。

日本の刺繍、華麗なオート・クチュールのヨーロッパの刺繍、民族で伝承されたアジアやアフリカの刺繍など、やく35か国の刺繍の展示です。

刺繍を施す意味や目的の話は、現代にも共通することがあり面白かったです。

また、最近、日本刺繍以外の刺繍にも興味があったのですが、日本刺繍と世界の刺繍にどのような違いがあるのか、実物を見て確認する良い機会でした。

世界の刺繍展ポスター世界の刺繍展ポスター

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刺繍を施す本当の意味・目的とは?

オート・クチュールと言うとまず女性モードを思い浮かべますが、18世紀宮廷が優雅な流行を生み出した当初は、主に男性の衣装に多用されており、女性の衣装には織の物が使用されていたそうです。

中世の男性の衣装のフリフリレースや細やかな刺繍は、イメージしやすいですよね。

華やかなイメージの刺繍ですが、刺繍などの装飾を施す場所の解説の中で、興味深い話がありました。

魔除け

刺繍装飾を襟元や袖口に施してありますが、これには魔除けの意味が込められているそうです。

衣服おいては、襟元・袖口・裾部分などの空いている箇所から悪魔が侵入してくると考えられており、その箇所に刺繍等の装飾を施すことで魔除けの効果があると考えられていました。

日本においても子供の「背守り」があります。

背縫いのない=背中に目(縫い目)がないきものを着ると魔がさすと言われ、お守りの代わりに付けたものです。

嫉妬や妬みからの護身

もう一つ、面白かったお話です。

衣装の背面に豪華な刺繍を施してある物がありました。

こちらは、悪魔ではなく実際の人間の嫉妬や妬みに対しての護身府的な意味があるそうです。

守り札ならぬ守り刺繍と言った感じでしょうか。

陰でヒソヒソ・・・世界各国いつの時代も嫉妬・妬み・嫉み・・・

人間関係に悩んでいる様子が目に浮かんできますね。

他人に対する嫉妬・妬み・嫉みの感情は、自分自身を苦しめると言うことを忘れないでいたいですね。

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日本刺繍との違い

日本刺繍(加賀繍)では刺繍台に生地を張った状態で刺繍を施しますが、アジアやアフリカなどの民族衣装の刺繍では生地をそのままの状態で刺していきます。

生地の素材や厚み、刺繍糸の素材や太さが関係しているようです。

日本刺繍や中国刺繍では素材として絹を使用します。

繊細な絹糸での緻密な文様表現や光沢感の表現はとても素晴らしいです。

やはり絹糸での刺繍装飾は格別に感じます。

終わりに

2017年1月6日~2月20日「麻のきもの・絹のきもの」展が開催されます。

きもの図書の中で見る服飾資料としてのお着物を、実際に見ることができます。

貴重な資料を拝見する良い機会ですね!

左・梅に御簾文様小袖(江戸時代後期)

右・滝に鼓文様小袖(江戸時代後期)

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桜に御簾文様の刺繍名古屋帯を繍って(ぬって)みたいと思っていますが、取り掛かるのは、まだ先のことになりそうです。

*加賀繍(かがぬい)では『刺す=さす』ではなく『繍う=ぬう』と表現します。

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